2012 耐久茶屋“筑波耐久ロードレース”《開催レポート》

2012 耐久茶屋“筑波耐久ロードレース”
集合写真
決勝レポート ハイライト シャンパンファイト はいチーズ! Enjoy Paddock

波乱の幕開けと、あっけない幕切れ Mガレージ&港北測量が茶耐3連覇

 筑波サーキットにおける2012年レースシーンの最後を飾る耐久茶屋~筑波耐久ロードレース~が今年も開店した。今年はあいにく雨にたたられたが、レースを愛してやまないエントラントたちが83台のミニバイクとともに筑波へと集結した。
 スターティンググリッドはくじ引きにて決定され、決勝を前に行われた練習走行ではスタートやフルコースコーションの練習が実施された。そして一旦雨が降り止んだ午前11時、5時間の決勝レースが始まった。
 スタートは耐久レースお約束のルマン式で、コースコンディションはフルウェット。そして先発組、後発組と2段階に分けられたスタートから80台を超えるミニバイクが一斉にコースへと飛び出した。先手を取ったのはNo.32Sun's&RH松島&frixionで、対してNo.36TS関東&小倉建設Rハーツが真後ろにつけ、この2台が序盤のレースを引っ張っていく。何度となく先頭を奪い合ったNo.32とNo.36だったが、すんなり事が運ばないのが耐久レースの難しさだ。レース開始から20分を過ぎた辺りで突然No.32がスローダウン。なんとかピットへマシンを戻したもののNo.32は優勝戦線からは完全に脱落してしまう。コース上では再び雨が降り出しており、転倒車が続出する波乱の幕開けとなった。雨はこの後も断続的に続き、レース終了までエントラントを悩ませた。
 No.32の脱落後、トップを快走するNo.36へ追いついてきたのはNo.5アルティラン&OGI48+N-PLANで、レース開始から1時間を経過した時点では2台のマッチレースが展開されていた。しかし、この2台の背後に1台のマシンが急速に迫りつつあった。それは昨年の覇者No.1Mガレージ&港北測量で、スターティンググリッドは最後尾から3番目というくじ運の悪さだったが、地力に勝るところを見せつけて着実にポジションを上げてトップの見えるところまで浮上してきたのだ。

 それから、ほどなくしてNo.1がトップを奪取。以後は快調に周回を重ねていく。レース開始から2時間が経過した時点ではNo.1がトップ。そしてNo.5とNo.51MRプロジェクト+MHマツモトが1周遅れで追うという展開だった。しかしレース開始早々から黄旗無視などによりペナルティを受けるライダーが相次いでおり、2番手のNo.5までもがペナルティストップを受けてしまう。これでNo.1のトップは磐石となり、レース開始から3時間の時点で2位No.5との差は3周。さらに1周遅れてNo.51、そして4位にNo.50クラバーライトレーシングチーム、5位にNo.63MRプロジェクト+PRIDE1、6位にNo.36という状況だった。
 雨という波乱要素はあったもののレース中盤の展開はむしろ落ち着いたもので、上位チームは淡々と走行して周回数を稼いでいた。しかし残すところ1時間余りとなり、各チームが最後の勝負に向けて動こうとしたその時、コース上でレースの行方を決定づける重大なアクシデントが発生した。No.73ヤナギタァ~ン&みねいろクロZのマシンがエンジンブローを起こしてコース上にオイルが流出したのだ。ミニバイク耐久ということで走行台数が多く、加えて雨天走行のためマシンの後輪が水しぶきを上げているという悪条件も加わり、オフィシャル側もエンジンブロー車両の特定に手間取った結果、当該車両はオイルを吹き出しながらほぼ2周にわたってコースを走行。その結果、オイルがコース全周に流出してしまい転倒車が続出することになった。このため全ポストに黄旗が提示されるフルコースコーションとなり、セーフティカーが導入された。しかしオイル流出が広範囲にわたっていることから短時間でのコース復旧は不可能と判断され、レースが中断された。この時点でレース予定時間の2/3を経過していることから規定によりレースが成立。赤旗提示の1周前、レース開始から3時間50分での順位が正式結果となった。
 優勝はNo.1で耐久茶屋の3連覇を達成。2位は2周遅れでNo.5。3位は4周遅れのNo.51。以下No.63、No.27RH松島+Yue+frixion+NTR、No.36までが総合及び4Mini100ccクラスのトップ6のオーダーだ。100ccノーマルクラス優勝は総合20位のNo.19ターゲット&黒坂ホンダ。同じく2位は総合21位のNo.92grip+SMG6→7、同3位は総合29位のNo.62N-PLAN+Cafeじゅんという結果だった。4Mini100ccクラスは上位6台、100ccノーマルクラスは上位3台が表彰台に並び、土屋博大会会長から賞典のトロフィーを受け取った。
 最後はホームストレート上で恒例の集合写真撮影が行われた。年に1度の耐久茶屋を楽しんだチーム、ライダーたちの表情からは、満足感はもちろん、雨のレースを無事に走り切ったという安堵感も見て取れた。これにてレースはノーサイド。エントラントにさまざまな思い出を残し、今年の耐久茶屋が閉店した。
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