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耐久茶屋“筑波耐久ロードレース”
2014 耐久茶屋“筑波耐久ロードレース”開催レポート
2014 耐久茶屋“筑波耐久ロードレース”《開催レポート》
毎年、筑波サーキットのラストレースを飾ってきた耐久茶屋。今年は恒例の4mini5時間耐久に加え、Force One-Fourthの耐久レースが初開催。Force One-Fourth 耐久は4サイクル250ccならエンジンはシングルからツイン、マルチシリンダーまで参戦OKで、マシンもロードスポーツからモタード車、タイヤもクラスによってラジアルやバイアスと、何でもありの4サイクルクォーター最速決定戦という様相も帯びている。しかし耐久茶屋の「お茶でもすすりながら」というコンセプトは変わらない。スプリントレース顔負けのかっとびウサギさん派から、マイペースでレースをエンジョイというカメさん派まで総勢70チームがエントリー。予選41位からのチームに用意されたステージは1.5時間耐久のForce2で、ルマン式2段階スタートから29チームのマシンがゴール目指して一斉にグリッドを飛び出した。
予選時に降っていた雨は決勝前に一旦止んだものの、路面はフルウェット。そしてスタートと同時に再び雨が降り出す不安定な天候の下、No.90TRS@勇利レーシングがスタート直後の混乱から抜け出して先頭に立つ。しかしポールシッターのNo.70マツエセブン&ウサウサ&マルサ工務店が本領を発揮して5周目にトップへ浮上。そのままレースを引っ張る。雨は次第に強まり、レース開始から30分後には本降りとなった。各マシンが水しぶきを上げる中、No.70は後続に30秒以上のアドバンテージを築いてトップを快走。2番手にはNo.39超軽合金Z@もさお.orzが続き、No.90は単独の3番手だ。
1時間が経過し、ゴールまで30分を切った。トップは変わらずNo.70で、2番手に対するリードは約2周にまで広がった。しかし2番手のNo.39に対して、3番手のNo.15秋山モータースが猛チャージで迫り、やがて2番手に浮上する。残り10分となった時点でトップを行くNo.70の2位以下に対するリードは4周にまで広がっており、もはや優勝は確実となった。そして残り5分、ここまで一人で走り続けてきたNo.70はピットに入ってライダーを交代する余裕を見せ、ピットアウト後にゴール。後続に2ラップの差をつける圧勝だった。続いてNo.15がゴールし、そこから1ラップ遅れたNo.39までの3チームが表彰台に並んだ。ダブルチェッカーという余計なオマケはあったが、男女ペアで見事にForce2を制したNo.70に惜しみない拍手が贈られた。
予選40位までのチームが出走するForce1がForce2に続いて行われた。こちらは2.5時間の耐久で、雨は止んでいたものの路面はウェットという状況だ。ルマン式2段階スタートからレースが始まり、No.88東京・神奈川湾岸SPL@二次元が4気筒パワーを生かしてレースをリードする。対して10代の名越兄弟2人が組んだNo.75SPTパワーボックス&マツエセブンは若手パワーで追走。序盤からスプリント顔負けのマッチレースを展開する。スタートから30分経過した時点でも両者の接戦は続き、約2秒遅れてNo.17アソートレーシングとNo.89R☆H☆P+N-PLAN+Neatral+WAKO’Sが3位を争う。レース開始から1時間を経過した頃には青空が覗き始めるが、路面は依然としてウェット。そしてレースが折り返しを迎えた75分経過頃になるとNo.75がライバルを引き離してトップを独走しており、No.17とNo.32SANMEI+S、SUPPLYが同一周回で追走。一方でNo.88は7番手まで後退し、優勝争いから脱落した。この頃には各車が給油とライダー交代のため各車が続々とピットに入り、ピット中が慌しくなる。
レース開始から90分後になると上空には青空が広がり、横断勾配が大きく筑波で一番早く路面が乾く第2ヘアピンのアウト側にドライパッチが現れ始める。レコードラインも渇くまであと一歩だ。そしてスタートから2時間が経過し、No.75は後続に1周近いリードを築いてトップを快走していたが、長丁場の耐久レースにはどんなトラブルが待ち受けているかわからない。ここでレースの行方を左右する重大なアクシデントが発生した。クランクを破損した車両がコース全周にわたってオイルを撒き散らし、転倒車が続出したためゴールまで28分の時点でセーフティカー先導によるフルコースコーションとなった。しかしフルコースコーション中にも転倒車が出たためレースは赤旗中断。すでにレース時間の3分の2を消化していたため規定によりレース成立となった。
優勝は若手のホープ名越兄弟のNo.75、No.32とNo.17が同一周回で続き、4位は2ラップ遅れのNo.55夜神旋乱+DOKUBARI。そしてNo.80プロップマンとNo.96HiRaNo&ベスコン渡辺の上位6チームが表彰台に並んだ。最後まで雨に翻弄されたレースだったが、気の合う仲間と組み、チーム一丸となってゴールを目指す耐久レースの楽しさに天気は関係ない。耐久茶屋ウィーク初日の最後はForce One-Fourthに参戦した全チームがホームストレートに集合し、笑顔で記念撮影に収まった。
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耐久茶屋ウィーク2日目にはメインイベントの4mini100cc 5時間耐久が開催された。
このレースには1チーム最大6名のライダーが出走可能で、うち国際ライセンス所持者は1名までと定められている。ミニバイクで筑波のフルコースを5時間、目一杯走ることができ、かつ大勢で参加が可能と希少な機会であるこのレースには、改造範囲の広い4mini100クラスに59台、ノーマル100クラスに16台、総勢75台がエントリーしており、スターティンググリッドにずらりとマシンが並んだ風景は壮観だ。例年同様、ルマン式の2段階スタートにより75台が一斉にグリッドから飛び出してレースが始まった。
この日は降雨の心配はなかったものの、前日の雨で路面は依然としてフルウェット。スタート直後は多数のマシンにより跳ね上げられたウォータースクリーンが視界を遮るほどで、1コーナーで多重クラッシュが発生するなどスタートから波乱含みとなった。
この混乱を尻目にトップへ躍り出たのはNo.72クレバーライトレーシングで、No.33POSH小城塾&アルティラン+N-PLAN、No.25Mガレージ&NTR&KENSO、No.18Craz&モトガレージTOMO、No.9ピューピュー電設・坂井洸至らが続く。しかしNo.72のペースはライバルより数秒速く、瞬く間に後続を引き離していく。スタートから30分が経過した頃にはNo.72が2位以下を30秒以上リードする一人旅となっていた。この間も路面は乾き続けており、1時間後にはレコードラインがほぼ乾く。先頭は依然としてNo.72で、約50秒遅れたNo.33が2番手。No.63MR+MHマツモト+フルール、No.9、No.39RCR・HANGOUTが先頭より1周遅れという状況だ。この頃になると各チームとも耐久レースのリズムを掴んでおり、ライダーは着実に周回を重ね、チームも黙々と仕事をこなすなど、ピットにはいい意味での中だるみ感が溢れていた。しかし、このまま順調にいかないところが耐久レースの難しさだ。
レース開始から2時間が経過した後、ここまで快調に飛ばしていたNo.72がペースを落とし、No.33とNo.63に前を譲ってトップから陥落。そして2時間半後になるとピットインのタイミングで若干ポジションの変動はあるものの、ほぼトップ6の顔ぶれが固まる。70台以上のマシンがさまざまなペースでコースの至るところを走行する中、先頭のNo.33は後続に1~2ラップのリードを保ちながら周回。2番手のNo.63も安定したペースでラップを重ね、持ち直したNo.72は3位を走行。4~6位のNo.25、No.27MRプロジェクトもる組、No.39も着実にゴールを目指す。そして4時間が経過して日差しが西に傾く中、刻一刻とゴールの瞬間が迫りつつある。しかし最後まですんなり行かないのが耐久だ。残り5分となったところで3位を走行していたNo.72がダンロップコーナーで転倒。耐久レースの難しさをまざまざと見せつけられた格好だ。
そして待望の5時間が経過。25番ピットに陣取ったNo.33チームが歓喜の声を上げる中、No.33マシンにチェッカーフラッグが振り下ろされ優勝が決まった。No.63が続き、No.39は土壇場で3位に繰り上がった。そしてNo.25、No.72、No.27までが4mini100クラスにおける上位6チームのオーダーだ。ノーマル100クラス優勝は総合17位のNo.73TeamWadataku Falcon Kurodayaだった。 チェッカー後、マシンがゴールラインを通過する度にピットから歓声が飛ぶ。耐久茶屋は楽しんだモン勝ち。順位に関係なくレースを楽しんだチーム全部が勝者だ。最後は恒例の記念撮影。日が短くなり、すっかり帳の落ちたホームストレートで数百名の笑顔が輝く中、2014年の耐久茶屋が幕を閉じた。
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