2016シーズン、全6戦で争われるJAF筑波スーパーFJ選手権シリーズも、この第4戦から後半戦に突入した。開幕戦から2連戦ポールtoウインの金澤力也選手、第3戦でスーパーFJ初優勝を達成した小村明生選手、そしてマスターズながら若武者たちの大きな壁として立ちはだかるのは必ず表彰台に乗る男、KAMIKAZE選手(2位、2位、3位)。そして同じくマスターズで、表彰台には乗らないものの常に4位フィニッシュでポイントランキングでは3番手に食い込む秋山健也選手と実力派との戦いも楽しみなスーパーFJシリーズ。
前日の練習走行では1本目がドライ、2本目からウエットという状況。そしてこの日、朝方こそ前夜の雨の影響で路面はウエットだったものの、予選がスタートするころにはほぼドライへと変わっていた。
今回も予選からその熱い走りが展開された。真っ先にコースインし、まずリーダーボードのトップにあがったのが小村選手であった。しかし「前日のドライでの練習走行ではマシンのセットが合っていなかったので、予選はぶっつけ本番という感じでした」という金澤選手がいったんピットに戻って頭を切り替え自分の走りを整理して、再び臨んだアタックで59秒330のタイムでポールポジションを獲得。
続くフロントロウ2番手には59秒576で小村選手がつけた。小村選手は「タイヤを使いすぎてしまった」と少々後悔しつつも、(前戦は金澤選手不在の中での勝利だったので)今回は金澤選手とガチンコ勝負をして勝ちたい」と闘志を燃やす。
「今日こそは表彰台の真ん中を目指しますよ」というKAMIKAZE選手は、少し気負いすぎた様子で、予選タイムは59秒671で3番グリッドを獲得。「練習走行よりもタイムを落としてしまった。本来なら59秒3~4秒あたりまで行けるはずが突っ込みすぎて立ち上がりが遅くなってしまった。決勝はフロントロウの2台のすきを狙って前に行きます」とこちらも是が非でも表彰台の真ん中を獲得したいと気合いが入る。
それに続くのは、横地昌重選手(59秒748)、そして秋山選手(59秒784)のマスターズ2名。そして第2戦、第3戦と連続で表彰台に上がっている三枝拓己選手(59秒900)までの6名が59秒台にひしめく結果となった。
今回スポットで参戦したのは、石田浩樹選手と、韓国から遠征でやってきたMYOUNGHO JI(ジ・ミョンホ)選手。石田選手はもてぎのシリーズに参戦中で、もてぎ戦の間隔が空いていたことと、しばらくマシンに乗っていなかったということでの参戦。筑波は2年ぶりの走行となった。ジ選手は4月にライセンスを取得したばかりの18歳。7月にヨンナム・コリア・インターナショナル・サーキットで開催された第二回 日・韓・中モータースポーツフェステイバルのスーパーFJレースに参戦。9月から学業が忙しくなるということで、そのときと同じマシンでこの8月の筑波戦へ引き続きの参戦(KOREA国際ライセンスのためポイントは無効)となった。
迎えた決勝レース。天候曇天のまま変わらなかったが、気温が上昇し、蒸し暑さを感じるような気候の中16周のレースがスタートした。スタートで飛び出したのは金澤力也選手だったのだが、これがジャンプスタートとなって、ドライブスルーペナルティーを科されてしまう。
トップの金澤選手が戦線を離脱したことで、苦労することなく先頭に立った小村選手は、2番手を走行するKAMIKAZE選手を抑え、順調に周回を重ねていたようだったが、10周目の第2ヘアピンの立ち上がりで加速が鈍った小村選手のスリップに入りKAMIKAZE選手がすかさずパス。その後はKAMIKAZE選手がトップを死守し、今季初優勝を飾ることができた。
2番手に落ちたもののKAMIKAZE選手に最後まで食らいついて行った小村選手が2位、横地選手は開幕戦に続く2度目の3位表彰台を獲得した。以下、秋山選手、三枝選手、金澤選手、ジ選手、石田選手と続いてチェッカーフラッグを受けた。
この結果、シリーズポイントではKAMIKAZE選手が62ポイントとなり、2番手の金澤力也選手に対して16ポイントという大差をつけることとなった。小村選手がランキング3位に浮上、その金澤選手を1ポイント差で追いかける。
トップ争いと3位争いが熾烈を極めた今回の第4戦。「他のレースでもあきらめずに走ったら最後にうれしいご褒美があったから」とKAMIKAZE選手は2番手キープ作戦を封印?
トップを譲ったものの、小村選手はまさにテールtoノーズ状態で今度はKAMIKAZE選手をけん制。ゼッケン5の車体は、KAMIKAZE選手のミラーに大きく映っていただろう。
スタートダッシュを決めたかに見えた#20金澤選手。残念ながらドライブスルーペナルティー。4周終わりでこれを消化。いったん最後尾まで下がったもののファステストラップを出しながら追い上げた。しかしトップから5秒遅れの6位でチェッカーとなった。
KAMIKAZE選手を応援に来ていたのが伊藤鷹志選手。昨シーズン、この筑波シリーズに参戦していたが、今シーズンはもてぎシリーズに参戦し、タイトルを決めている。
優勝
KAMIKAZE選手
2位
小村明生選手
3位
横地昌重選手
MASTERS 優勝
秋山健也選手
MASTERS 2位
石田浩樹選手