太陽が照り付ける真夏の第3戦は、一瞬たりとも目を離すことができない緊迫したトップ争いが見どころのレースとなった。路面温度の上昇と共に、タイヤをいかに効率よく使い切るかが勝負となるこの季節。開幕から2連勝を飾る蘇武喜和選手は、「レース前までに充分なテストが出来ず、まともにデータが揃っていない」という状況で第3戦を迎えていた。しかし、予選では少ない周回数に集中し、1分8秒426を記録して、堂々のポールポジションを獲得。一方の「前日の練習走行からいいタイムが出ていた」と語っていた八代勝也選手が、その言葉通り、蘇武選手とコンマ107秒差の1分8秒533で2番手に。予選3番手には、1分8秒727を記録した山本純一選手が続いた。
迎えた決勝レース。イン側から好スタートを切った蘇武選手と、同じくイン側から3番手スタートだった山本選手が絶妙なタイミングで飛び出し1コーナーに進入。一方の矢代選手はスタートでミスをし、追い上げのレースとなった。トップを走る蘇武選手と2番手を走る山本選手はスタート直後からテールトゥノーズを展開。一方の、辻田佳典選手、矢代選手、東源夏樹選手、須田真二選手の4人は序盤から激しい3番手争いを繰り広げていた。その激しさはすでに2周目で激化。第2ヘアピンで接触が起こり、東源選手が順位を大幅にダウン。一方でこの混乱をきっかけにして須田選手、辻田選手、矢代選手が順位を入れ替えながらトップを追いかける形となった。6周目の1コーナーで八代選手が須田選手をパスし3番手に浮上。また10周目の第2ヘアピンで辻田選手が須田選手を抜き、表彰台の一角を虎視眈々と狙っていた。
緊迫したトップ争いは、中盤以降も激化。トップを死守する蘇武選手に対して、テールトゥノーズ、サイドバイサイドと僅かなスキをついてトップ奪回を狙う山本選手。この2台の攻防戦は、今回開催されたレースの中で最も激しく、そしてクリーンに繰り広げられていた。その結果、場内でこの勝負の行方を見守っていた人全員が、手に汗を握りながら応援していたに違いない。
結果的には、一度も山本選手にトップを明け渡すことはなかった蘇武選手が、開幕から3連勝を達成。2位に山本選手、3位に八代選手の順でチェッカーを潜ったのだが…この第3戦にはゴール後の審査でもうひとつの波乱があった。それは、序盤の2周目に第2ヘアピンで発生した接触事故により、その原因を作った八代選手が40秒加算のペナルティを負うことに。その結果、3位には辻田佳典選手が繰り上がることになった。
スタート直後の序盤から目が離せないバトルを展開した#7蘇武喜和選手と#39山本純一選手。最後まで繰り広げたフェアな戦いに、お互いも満足な様子だった。
2周目の接触により、#64須田真二選手、#72八代勝也選手、#6辻田佳典選手の3人が3番手争いを形成。トップ争い同様に、ここも激しく見どころ多い戦いが繰り広げられた。
終盤でトップ争いの二人に迫る走りを見せてくれた#72八代選手。3位表彰台を獲得かと思われたが、ペナルティにより正式リザルトは11位に。結果、4番手でゴールした辻田佳典選手が3位となった。
優勝
蘇武喜和選手
2位
山本純一選手