筑波スーパーFJ選手権シリーズ第2戦・FJ1600選手権シリーズ第2戦
[ 7月3日(日)開催 ]

筑波スーパーFJ選手権シリーズ/FJ1600選手権シリーズ
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開幕戦から一カ月あまりのインターバルで、筑波スーパーFJ選手権シリーズ・FJ1600選手権シリーズの第2戦が開催された。まだ梅雨が明けていないこともあって、このところ週末は雨続きだったものの、今回は天気に恵まれ、むしろ夏まっただ中のような、厳しい暑さの中でレースが行われた。


Super-FJ REPORT

山﨑洋輔選手が2連勝、ドライでこそ見せたスピード
 今季初のドライコンディションとなった第2戦は、厳しい暑さをもライバルにしての戦いとなった。公式予選では前回のウィナー、山﨑洋輔選手がわずか2周で1分を切り、その後もタイムを刻み続けて6周目には59秒195をマーク。その後、いったんピットに戻ってタイヤの内圧を調整し、再度アタックをかけるものの、路面温度が高すぎてタイムアップはもう限界だと判断。残り5分のところで走行を終了した。

 ライバルにとっても厳しい状況は変わらず、前回2位だった中島佑弥選手が序盤に59秒421を出すも、その後タイムは上がらず。唯一、終盤になってタイムを上げてきたのは山田翔選手だったが、59秒481で3番手に留まった。
 昨年のFJ1600デビュー戦である第5戦、そして前回とポールポジションを奪っている山﨑選手は、実はドライコンディションでは初めて。「ドライでもポールを獲れて、本当に速さも証明できたと思います。決勝はスタートさえ決めれば離せるんじゃないでしょうか。だけど、何となく自分とのバトルになりそうな気がします。プレッシャーもないわけじゃないし、あと暑さが厳しいんで。それでも他の人よりタイヤも温存できたので、もしかしたら楽に戦えるかもしれません」と山﨑選手。

 決勝レースが始まる頃になっても、厳しい暑さは変わらず。集中力も試される状況の中、誰よりいいスタートを切ったのは中島選手だったが、1コーナーでの激しい攻防戦の末に山﨑選手はトップを死守。また、予選4番手から黒岩巧選手が鋭いダッシュで、ひとつポジションを上げていた。

 山﨑選手、中島選手、黒岩選手がトップグループを形成し、やや置いて堀内優大選手、山田選手、森島修一選手、そして上別府将司選手がセカンドグループを形成して4番手を争い合う。トップグループはやがて散り散りになり、3台それぞれ間隔を空けるようになっていったのとは対照的に、4番手争いはさらに激しさを増す。中盤からは長谷川史卓選手も加わることに。まず10周目に森島選手が山田選手を抜いて5番手に浮上、その山田選手は徐々に順位を落とすことになるが、これが初めて走る入賞圏内。なんとか踏みとどまって6位に入った。

 トップを最後まで守り抜いた山﨑選手は、徐々に後続との差を広げつつ、12周目にファステストラップを出す余裕さえ見せて2連勝。2位も2戦連続で中島選手、そして3位は前回トップを走りながらアクシデントで涙を飲んだ、黒岩選手が獲得。4位には堀内選手がつけた。

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レース風景
開幕戦ではウエット、今回はドライ。どんなコンディションでも速さを見せて、大いにアピールにも成功した山﨑選手。

レース風景
徐々にスーパーFJの感覚を取り戻しつつある中島選手。そろそろ本領発揮で山崎選手にプレッシャーをかけたいところ。

レース風景
前回トップを走りながら悔しい思いをした黒岩選手。雪辱なって、次回はポール to ウインを目指すと宣言!

レース風景
好スタートを見せた#38中島選手を抑え、トップを死守した#5山﨑選手が、チェッカーまでトップを譲らなかった。

Winner's Interview
優勝

山﨑洋輔選手

山﨑洋輔選手
「スタートはあまりうまくいかなくて、走り出しが悪くて詰まってしまいました。それでもなんとか耐えしのぐことができました。厳しいレースになるのは覚悟していましたが、後ろが次第に離れていってくれたので、そこからは自分のペースで走ることができるようになりました。後ろからのプレッシャーはなくなっていきましたが、やっぱり最後は自分との戦いでしたね。これからはもっと差を広げられるよう頑張ります。連勝もさることながら、ドライで優勝を飾れたというのが、何よりうれしいです!」
中島佑弥選手
2位

中島佑弥選手

「第1戦も第2戦も、タイヤが温まるまではイケイケで行けたんですが、温まってからの動かし方が、まだ自分のレベルが低いので……。復帰してから何度も練習はしているので、そのへん本当は言い訳は、もうできないんですけれどね。自分自身がもっともっと勉強して、無理矢理走るんではなく、クルマの性能をしっかり出す走りをしていかないと、この先もっときつくなると思います」
黒岩巧選手
3位

黒岩巧選手

「スタートで1台抜きました。スタートには自信があるので、毎回1台ぐらいは確実に抜けるんですよ。でも、中盤からペースが上げられなくなって。タイヤがタレたというのもあるんですが、いつも決まったコーナーで離されてしまったのが痛いですね。あと予選の段階で少しセットをミスしていたんで、決勝でテストも兼ねてセットを変えてみたんですが、それもうまくいかなかった。悔しいですけれど、次はポール to ウインを目指します!」


FJ1600 REPORT

レース風景
クラッチミートのタイミングでは蔵野選手に勝った錦織選手ながら、走りの気迫で蔵野選手に屈し、逆転は許されず。

レース風景
スタートからまったく危なげのない走りを見せた蔵野選手。チームメイトに背後を守られ、プレッシャーなく走ることに成功。

レース風景
ようやくつかんだ勝利とあって、スタッフからの祝福もいつもよりヒートアップ!

レース風景
2戦連続の2位とあって悔しさも人一倍の錦織選手。レース後には反省しきり。
蔵野智昭選手がトップでゴール、苦節6年の初優勝を飾る!

 公式予選で、まずトップに立ったのは前回のウイナー廣川和希選手ながら、その後の伸びを欠いてしまう。計測2周目からは錦織正樹選手と蔵野智昭選手、チームメイト同士でシーゾーゲームを繰り広げ、1分0秒781をマークした蔵野選手が最後は逃げ切りを果たした。「ポールポジションは初めてなんです、6年目にしてやっと! 予想外に暑かったので集中力切れないか心配だったんですが、練習から調子が良かったので同じように走れたのが良かったようです。初めていちばん前からスタートしますから、プレッシャーもかかると思いますが、慎重に普段どおり走れば大丈夫だと思います」と蔵野選手。2番手には錦織選手がつけ、3番手は高木裕士選手。廣川選手は4番手ながら、1分を切ることはできなかった。

 決勝では錦織選手が絶妙のスタートダッシュを決めたが、ポールの蔵野選手は冷静に対応。しっかりガードを固めて1コーナーでの逆転を許さず。一方、廣川選手がスタートに失敗して、順位を落とす中、高木選手がしっかり3番手をキープし、また予選5番手から木村貴洋選手が4番手に浮上する。2周目になると、トップ争いは三つ巴に。蔵野選手に錦織選手、高木選手が食らいついて離れず。まさに緊張感がみなぎる中、周回が重ねられていった。4番手争いもまた熾烈。木村選手、川福健太選手、そして廣川選手もまた連なり合って周回を重ねていく。

 そんな中、ラスト3周で現れたバックマーカーがレースを動かした。蔵野選手と錦織選手は難なくかわしていったものの、高木選手が処理に失敗。高木選手は前のふたりに離されてしまったばかりか、後続の3台にも近づかれてしまう。だが、それぞれがなんとか踏ん張り抜いて、蔵野選手が初優勝。そして高木選手も表彰台を獲得することになった。

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Winner's Interview
優勝

蔵野智昭選手

蔵野智昭選手
「まさかポールが獲れて、優勝までできるとは思いませんでした。夏場のレースは体力が重要なので、一時は休んでいたトレーニングをまた始めたら、今まで苦手だった最終コーナーに余裕が出てきて、いろいろ試すことができたんです。そういうのがよかったんですかね。スタートは自分的には今イチ決まらなかったんですが、大失敗という印象もなかったんで、そこから先は落ち着いて走れました。後ろにいるのがチームメイトだったんで、それも大きかったかもしれません」
錦織正樹選手
2位

錦織正樹選手

「インフィールドでは追いついたりしていたんですが、最終コーナーで合わせて1コーナーで行くってことができなかった。中盤から後ろも着いてきたし、大きなラインとれないとか、いろいろあったんで、しょうがないかな。この前も2位だったし、今回こそ優勝したかったんですけれど。理想は(蔵野選手と)ふたりで逃げた後に勝負……だったんですけど、他の人たちがそれを許してくれませんでした。いつもなんですけど、力不足ですね、僕は」
髙木裕士選手
3位

髙木裕士選手

「終盤になって周回遅れに引っかかっちゃって、一気に引き離されたばかりか、そのあと後ろも来てしまい、いっぱいいっぱいでした。それまではすきをうかがって、チャンスがあれば逆転をと考えていたんですが、やっぱり周回遅れが痛いですね。その辺りを次からはうまくかわせるようにして、さらに上の順位を狙っていきたいと思っています」


F4 REPORT

 年に一度、筑波を舞台とするF4。昨年同様、7月第1週の開催となった。F4の公式予選は20分間ながら、これをずっと走り続けてしまうと決勝レースでタイヤが辛くなってしまう。ほとんどのドライバーが計測開始と同時にアタックを開始する中、開幕戦ウイナーの関口雄飛選手は、じっくり待ってちょうど10分目から走行スタート。その段階でのターゲットは金井亮忠選手のマークした55秒935だった。

 だが、関口選手がコースインしたのと、ほぼ時を同じくして最終コーナーでアクシデントが発生。接触があってノーズコーンがコースの脇に。「しばらく黄旗が出ていたから様子を見ざるを得ず、タイヤのいちばんいいところを使えなかった」と語りながらも、黄旗の解除後に55秒634をマークしてポールポジションを獲得。2番手は金井選手、3番手は佐伯和洋選手、そしてポイントリーダーの服部晃輔選手が4番手を獲得する。

 決勝レースでは金井選手が好スタートを決めて、1コーナーで前に出たものの、第1ヘアピンで関口選手はインを刺してトップを奪い返す。必死に食らいついていこうとする金井選手ながら、なんと3周目にドライビングスルーペナルティを命じる黒旗が! スタート時のグリッドが前過ぎたというのだ。金井選手はやむなくピットに戻り、最下位へ後退。そこから激しい追い上げを見せたものの、4位まで上がるのがやっとだった。

 金井選手の交代で佐伯選手が2番手に浮上し、1850ccクラスの優勝を獲得。そして、3位には山口大陸選手が入って、久々の表彰台に立つこととなった。もちろん優勝は関口選手。11秒もの大差で今季2勝目をマークした。
F4リザルトはこちら

レース風景
独走になっても、まったくアクセルを緩めることなく走り続けた関口選手。出れば優勝、ここまで2戦2勝と圧倒的な強さを見せる。
レース風景
かつてF3にも出場した経験を持つ山口選手。長いブランクを経て昨年からF4で四輪に復帰。ついに表彰台にたどり着く。
レース風景
スタートで前に出られた金井選手を、すぐ第1ヘアピンでかわした関口選手。この後は完璧な独走態勢で連勝を飾る。

Winner's Interview
関口雄飛選手
優勝

関口雄飛選手

「スタートは相変わらずダメですねぇ(笑)。それで前に出られちゃったんですが、抜こうというアクションを見せたら(第1ヘアピンでは)ラインを残してくれたんで、早々と勝負をかけることにしました。後半コントロールしたとかそういうのはなくて、ずっと自分のペースで走り続けました」
F4クラス表彰式
今年はF4だけではなく、GT、そしてシーズン途中からF3復帰も果たした関口。表彰台の中央ももはや慣れたもの!



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