スーパーFJ選手権シリーズ第3戦は、前戦から3週間のインターバルとなる5月26日に開催となった。前回同様の好天だが、大きく異なるのは気温。同じ5月にも関わらず、猛暑日となる30度越えという暑さの中で、スーパーFJの猛者達が接戦を繰り広げることになった。
午前8時40分に始まった公式予選では、KAMIKAZE選手が最初から積極的に攻めて、4周目にして1分00秒131をマーク。無駄のない走りで7周のみのタイムアタックを敢行し、今回もポールポジションを獲得かと思われたが、この第3戦にはレースを盛り上げる伏兵が待ち構えていたのだった。前田大道選手がスポットで参戦。「S-FJ全国腕試し戦」とも呼ばれるS-FJジャパンチャレンジの第1回大会として、この筑波選手権が指定されたため、前田選手はこの記念すべき第1回目の勝者を目指していたのだ。それを証明するように、予選ではただ一人59秒台に入れる59秒979をマークしポールポジションを獲得。2番手にKAMIKAZE選手、3番手に1分00秒195をマークした秋山健也選手らが続き、前田選手がKAMIKAZE選手を筆頭とする筑波の猛者達にどのように立ち向かうのかに注目が集まった。
迎えた決勝レース。全車が集中してスタートを切った直後、真っ先に1コーナーへと飛び込んでいったのはKAMIKAZE選手だった。ポールスタートの前田選手はまさかのスタート失敗で、3番手スタートの秋山選手、4番手スタートの小谷論司選手の後塵を拝すことに。その結果、1周終了後はKAMIKAZE選手、小谷選手、秋山選手、前田選手という順でコントロールラインを通過していった。
揚々とトップに立ったKAMIKAZE選手は、いつもの盤石な走りでトップを快走。それとは対照的に、2番手を走っていたもののタイムの上がらない小谷選手を、秋山選手はレース中盤に1コーナーでパス。さらに、早いタイミングで上位復活を目論んでいた前田選手は、筑波を主戦場とする秋山、小谷両選手達を攻めあぐね、4番手のままで走行を重ねることに。
中盤以降、安定してトップを走り続けるKAMIKAZE選手を筆頭に、秋山選手、小谷選手、前田選手というオーダーは変わらず。その結果、危なげない走りで全18周を走り切ったKAMIKAZE選手が開幕3連勝を達成。秋山選手も、3戦連続の2位を獲得。そして、小谷選手も第2戦に続いて3位表彰台を獲得した。注目の前田選手は4位でチェッカーをくぐった。
「スタートで1速から4速にシフトミスしてしまいました。筑波は抜きどころがないサーキットなので、どれだけ予選で自分のタイムが速くても、それが決勝のオーバーテイクには繋がらないと痛感しました。小谷選手には最後まで抑えきられ、さらにそんな小谷選手を1コーナーで抜いた秋山選手しかり。優勝したKAMIKAZE選手も含めて、筑波を走り続けている方々はやっぱり凄いです」と決勝レース後、こうコメントを残してくれた前田選手。これ以降、今シーズンは筑波選手権への参戦は未定だそうだが、KAMIKAZE選手を筆頭とする筑波サーキットで戦うベテラン勢は、きっと新たな挑戦者を快く迎え入れてくれるはずだ。
スタート直後より、一気に後続との差を広げたKAMIKAZE選手。どんなコンディションでどんな状況になろうとも、優勝パターンを熟知していて、しっかりと結果を残す。それが、長期に渡って活躍できる秘訣なのだ。
小谷選手の背後から虎視眈々とオーバーテイクを狙っていた秋山選手。筑波サーキット攻略のセオリー通りの戦いで、9周目の1コーナーで2位に浮上。3戦連続2位獲得も満足できず。あとは優勝を狙うのみ。
最後まで接戦を繰り広げた小谷選手と前田選手。ベテラン勢には前を譲ったが、集中力を切らさずしっかりと走り切った小谷選手は、喜びの3位表彰台を獲得した。
第3戦を盛り上げてくれた前田選手だったが、まさかのスタートミスで表彰台を逃すことに。予選などで発揮する一発の速さだけでは、筑波では上位入賞も難しいと改めて学んだ様子。
優勝
KAMIKAZE選手
2位
秋山健也選手
3位
小谷諭司選手
MASTERS 3位
上吹越哲也選手
MASTERS 4位
ユウジロウ選手
MASTERS 5位
塚本成人選手