耐久茶屋 ~Force One Fourthの宴~

耐久茶屋 ~Force One Forthの宴~ 開催レポート

耐久茶屋
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決勝レポート / RACE REPORT

雨中で上位が次々転倒も攻め続けた中堀拓乙

CBR250R Dream Cup DUNLOP杯ビギナークラス

 降り続く雨の中、レースがスタート。ホールショットを決めたのはNo.4石田章裕だが、No.48三上真矢がトップに立って1周目を終了。三上を追ったNo.43田口智之は2周目のアジアコーナーで転倒し、さらに三上も次周の同じ所で転倒してしまう。波乱の中でトップに立ったNo.6中堀拓乙は躊躇することなく攻め続け、独走で優勝。続いたNo.45石澤英美はレース後車検で失格。この結果、石田が2位となり、No.93秋田真志が3位に入った。一方、レースに復帰して11位から3位まで追い上げた三上は転倒時に黄旗が出ていたため失格となった。

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3台横並びの激闘の末、藤村太磯が優勝

CBR250R Dream Cup DUNLOP杯エキスパートクラス

 No.2藤村太磯が先頭で1コーナーへ入り、No.33小林隼士、No.69薄井徹也と続いて3台バトルが始まった。先頭を行く藤村に対し、小林は5周目の1コーナーでトップを奪う。その後は薄井、藤村も先頭に立つなど激闘を続けながら小林、薄井、藤村の順で最終周へ。小林はブロックラインで第2ヘアピンを立ち上がる一方、薄井はアウト側から勝負に出る。さらに藤村が両者の間に入り、最終コーナー手前で3台が横並びとなった結果、一番スピードの乗っていた藤村がトップでチェッカーを受けた。薄井が続き、小林は悔しい3位となった。

宇川徹、MotoGP経験者の本領発揮

耐久茶屋 ~Force One-Fourthの宴~

耐久茶屋 ~Force One-Fourthの宴~

耐久茶屋 ~Force One-Fourthの宴~

耐久茶屋 ~Force One-Fourthの宴~

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耐久茶屋 ~Force One-Fourthの宴~

耐久茶屋 ~Force One-Fourthの宴~

耐久茶屋 ~Force One-Fourthの宴~

理屈じゃない楽しさこそ
茶耐参戦のモチベーション
 まぁまぁ、お茶でもすすりながら、と銘打って始まった耐久茶屋はレースシーズンを締めくくる毎年11月下旬に行われる恒例の耐久レースだ。気の合う仲間たちと組み、スプリントのように勝負にこだわりすぎず、チーム一丸となってゴールを目指すとともにレースを楽しむというのが趣旨だ。もちろんレースである以上、真摯な取り組みも必要だが、理屈では説明できない楽しさこそ耐久茶屋参戦のモチベーションだ。参戦マシンは4サイクル250ccで、気筒数などによりクラスが分けられているが、ニーゴーはビギナーからエキスパートまで幅広いキャリアのライダーの要求に応える奥の深いマシンだ。耐久である以上、一発の速さよりも長丁場を走り切るだけのマシンの完成度、そしてライダーの走行順や給油タイミングの判断、不意に発生するハプニングに対応するためのチームワークが不可欠だ。当日はあいにく雨だったが、午前中の予選を経て、いよいよ2時間半の決勝レースを迎えることになった。

スタート前を盛り上げる和太鼓
序盤から宇川徹の独壇場
 晴天ならば、決勝前のホームストレートで地元茨城県筑西市を拠点とする和太鼓グループ、鼓幸の和太鼓演奏が行われる予定だったが、雨を避けコントロールタワー隣の通路での演奏となった。それでもパドックには威勢のいい和太鼓の音が鳴り響き、スタート前の雰囲気は否が応にも盛り上がる。雨は一旦上がっていたものの、路面はフルウェット。この後も小雨がレース終了まで断続的に降り続くことになる。そしてホームストレートの右端には全45台のマシンが並べられ、スタートは耐久レースお約束のルマン式。安全性を考え、先発組と後発組に分けられた時間差スタートにより決戦の火蓋が切られた。

 真っ先に1コーナーへ飛び込んだのはNo.16Kentsusystem+千葉リサイクルサービス。そのままオープニングラップを制したが、2周目にはNo.67ライディングスポーツ+宇川徹が早くもトップに浮上する。チーム名にある通り、No.67のライダーは元MotoGPライダー宇川徹で、現役時代から雨を得意とする宇川は文字通り水を得た魚だった。宇川のマシンはコーナー立ち上がり時に他車より明らかにエンジン回転の上がり方が速く、ウェット路面にも関わらず、まるでドライのようなアクセルの開けっぷりでトップを快走。しかしレース開始から10分も経たないうちにNo.33Bee Free with Iwaken & Arai-rsが第1ヘアピン先でトラブルストップ。早くも耐久レースの難しさが顔を覗かせる。No.33はこの後、20分かけてピットまで手押しでマシンを戻す。この頃になるとバックマーカーが出始めたが、レースをリードする宇川は躊躇なくパッシングを重ねる。フルバンク中に遅いバイクに引っかかると、ウェットをものともせずに自由にバイクの向きを変えて抜き去るという芸当だ。No.16とNo.65群央商事・表参道不動産が宇川に食らいついたが、No.65はミスをしてトップ争いから後退。一方でNo.16は宇川の背後でリズムをコピーしながら追走する。そして踏ん張り続けた結果、34周目の1コーナーでトップに浮上し、しばらくトップを走って宇川に一矢報いることになる。一方、2年連続の茶耐参戦となった元世界王者の原田哲也はバトンタッチを受けてNo.31ライダースクラブ×原田哲也のマシンを走らせた。原田はハードブレーキングで他車を蹴散らし、王者の片鱗を見せながらレースをエンジョイしている模様だ。

セーフティカーが2回導入
意地を見せたパルス&ライディングスポーツ
 全体的には大過なくレース開始から1時間が過ぎようとしていたが、この時、エンジンをブローさせた車両がS字から第1ヘアピンまでオイルを撒いてしまい、その処理のためセーフティカー(SC)が導入された。No.67を始め、このタイミングを利用してピットインするチームもあったが、タイミングを外したチームはSCに続いてスロー走行。コース上には散水車と路面清掃車が出動してオイル処理を行い、約20分後にSCが解除された。SC明けにはNo.67が全車ラップを達成しており、1周遅れてNo.68パルス&ライディングスポーツ、2周遅れてNo.69MSKレーシング、3周遅れてNo.54プレスト&G3とNo.26プロップマン+craz+TOMO&仁輪加が追う。アクシデントは続き、その10分後にはアジアコーナーで転倒した車両がコース上に残されたため2回目のSCが導入される。そして転倒車両の処理後、約10分後にはレースがリスタートされる。

 2時間が経過し、トップのNo.67は青木淳にライダーを交代。この頃になるとコース上でスローダウンするマシンやトラブルを抱えてピットに入るマシンが散見されるようになり、雨に加えて耐久レースの難しさが垣間見える。残り30分を切ったとはいえ、勝負は下駄を履くまでわからない。1周遅れの2番手だったNo.68は諦めずにプッシュを続けており、残り10分を切ったところでトップと同一周回に持ち込んで意地を見せた。そしてピットではどのチームも全員がピットレーンに出てチェッカーの瞬間を待ち続ける。

 そして2時間半が経過し、トップのNo.67にチェッカーフラッグが振り下ろされてレースが終了した。マシンがフィニッシュラインを通過する度にピットのあちこちから歓声が挙がり、チームは長い戦いを終えたライダーを労った。優勝はNo.67で、土壇場で追い上げたNo.68が2位。1周遅れてNO.54が3位でゴールした。以上はNT2クラスの表彰台登壇チームで、NS2クラス優勝はNo.42SPEED KING.風乃御伽会.SKT、FT2クラス優勝は藤田商会2軍だった。レース後は全車がホームストレートに終結。チーム全員がホームストレート上に集まって終わったばかりのレースの思い出話に花を咲かせた。そして全員が見守る中で暫定表彰式が行われ、小雨の降る中でシャンパンシャワーが空を舞った。最後は恒例の記念撮影。雨に濡れたホームストレートで全チームが笑顔で1枚の写真に収まった。

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