2019筑波ツーリングカー選手権シリーズのTTC1400は、EP82遣いともいえる有力選手が不在という状況で、参戦する8名すべてがTTC1400優勝経験のない選手という珍しい開幕戦となった。
予選トップタイムの1分08秒014でポールポジションを獲得したのは、八代勝也選手。ここ数年、スポット参戦でTTC1400と関わってきたものの、昨年からシリーズ参戦を開始しており、昨シーズンは開幕3戦で3回3位表彰台を獲得と、きちんと結果を残している選手。そして同じく1分08秒フラットのタイムでフロントロウを獲得したのが、荒川智弘選手。3年目ということだが、2017年の最終戦では3位を獲得した経験もある。ちなみにこの2名は筑波大の先輩と後輩という間柄となる。
15周で争われた決勝。フロントロウの2台が好スタートを決めたが、アウト側の荒川選手のほうが若干早く1コーナーに進入し、トップに立った。その荒川選手のテールをピタリとマークするのは八代選手だ。
そのトップ2台に若干離れていた3位争いの集団だったが5周目の第一ヘアピンの進入で、3番手を走行していた有泉友博選手と4番手の井下田 馨選手が接触。これでスピンを喫した有泉選手は7番手まで順位を下げることとなってしまう。一方の井下田選手には、この衝突行為により、ドライビングスルーペナルティーを科されたのだが、最終ラップまで気が付かず、Dボード無視という判断がなされ、失格となってしまった。
荒川選手はレースをリードするも、レースも折り返しを過ぎた9周目の最終コーナーで、八代選手に横に並ばれると、そのまま順位を入れ替え、立場が入れ替わった荒川選手も追い立てるものの、再び順位を入れ替えるまでにはいかず、八代選手がうれしい初優勝を手中に収めることとなった。3位には、2015年ランキング2位の経験もある北山健人選手が入った。
#72八代勝也選手はトップタイムで予選を走りポールポジションを獲得。決勝ではスタートこそ後輩・荒川選手にトップを譲ったが、後半にはトップを取り返してきっちりチェッカー。
#31荒川智弘選手は、1分08秒086と、先輩・八代選手に0.072秒届かず、2番グリッドからスタート。決勝ではトップを死守するも、タイヤがタレて勝負あり。
筑波大学の先輩、後輩という2人がお互い初優勝をかけたトップ争いを繰り広げられた。クルマから降りた直後に健闘を称え合っていた。
3番手争いの残念な接触もあり、結果トップ2台は後続を10秒以上引き離してのレースとなった。今シーズンのTTC1400はこの2台を中心に展開していきそうだ。
優勝
八代勝也選手
2位 荒川智弘選手
「オフィシャルとしてレースに関わってちょうど10年という、記念の一戦で表彰台に立ててうれしいです。レースに関わってきてよかったと思いますし、スポンサーさんにも協力していただき感謝です。参戦してずっと『5位ホルダー』と言われていましたから今日のレースは上出来です。でも勝ちたかったですね。次こそ勝てるよう頑張ります。 」3位 北山健人選手
「クルマも問題なくて、表彰台にも載れて、朝のレーシングサービスのみんなに感謝しています。2015年以降、セッティングに悩んでなかなか成績を残せないでいましたから、久々の表彰台は、純粋にうれしいですし、これからもさらに表彰台を狙っていけたらと思います。」