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Race Report

2022耐久茶屋 ~Force One-Fourthの宴~

筑波のレースシーズンを締めくくる秋の風物詩として数々のドラマを生み出してきた耐久茶屋が千秋楽を迎えた。
永きに渡り筑波サーキットのレースを彩ってきた茶耐は耐久レースを愛する皆様とともに、今、感動のゴール。

耐久茶屋

耐久レースの醍醐味 耐久茶屋は今回が千秋楽

2006年の初開催以来、「まあまあ、お茶でもすすりながら」と、ちょっとユルめの耐久レースとして参加者の皆様と歩んできた耐久茶屋が、今回の開催をもって千秋楽を迎える。耐久レースはマシンの完成度やレース戦略、チームワークなどスプリントレースとは異なる要素が要求され、それこそが耐久の醍醐味である。その楽しみを味わえる茶耐は今回が最後とあって、最後の瞬間を見届けようと参戦常連組からカムバック組、さらには新規参戦組など総勢70チームのエントリーを集めて最後の宴がスタートした。
秋晴の下、気温は最高で20度弱で路面温度は最高で30度弱と、この時期としては上々のコンディションだ。予選の結果、例年同様に 1位から40位までのチームは2.5時間のForce1、41位以下は1.5時間のForce2に分けられ、まずは28チームが挑むForce2から決戦の火蓋が切られた。

Force2

No.9TEAM TARO、残り15分でトップに
ノートラブルで速い。チーム戦略で優勝

耐久レースでお約束のルマン式スタートで始まったレースは、まずNo.31セーリング&原田哲也フレンズが先手を取った。ライダーを務めるのは筑波育ちの元世界チャンピオン原田哲也。すでに茶耐の常連に名を連ねている原田は、他者とは明らかに違う深いバンク角でコーナーリングスピードを上げながら後続を引き離していく。一方、1周目を5番手で通過したNo.73TTM(T.T.Moto) HARC PROが2周目に早くも転倒を喫し、序盤から波乱含みの展開となる。
独走でレースを引っ張るNo.31に対し、追いかけるのはNo.9TEAM TAROとNo.39オムステンレス工業&STRで、両者は1~2秒ほどの間隔を保ちながら周回を重ねていく。15周目にNo.39が2番手に浮上してからも両者の間隔は変わらず淡々とレースを進める。
上位に変動がないままレース開始からちょうど半分が過ぎ、先頭のNo.31がピットインしてライダー交代を行う。その2周後にはNo.39とNo.9もライダーを交代する。この頃にはバックストレートで白煙を挙げるマシンが出るなど長丁場の耐久ならではの難しさが顔を覗かせる。それはライダー交代後もトップを快走していたNo.31も同様で、47周を走り残り時間が30分になろうかというタイミングでマシントラブルに襲われる。これによりNo.31はピットインを余儀なくされ、チェンジペダル周りを修復後にコースへ復帰したものの大幅に順位を落とす。代わってトップに立ったのはNo.19チームsoken.incで、1周目を21番手で終えてから着実な走行で順位を上げ続け、ついにトップにまで登り詰めた。
そして終盤、ここまで最初のライダー交代を引っ張ってきたNo.19が残り15分となってついにピットイン。一方で2番手を走行していたNo.30RC.TERA+赤鬼青鬼がアジアコーナーで転倒するなど、耐久レースは下駄を履くまでわからない。これらの出来事の後にトップへ浮上したのは、ここまでノートラブルかつ速いラップタイムで周回してきたNo.9で、残り10分を目前にして初めてトップに立った。そしてゴールまで残り10分を切り、先頭のNo.9は変わらず着実な走行でゴールを目指す。一方でNo.56オロチPCS Team TATARA岩が1コーナーで転倒するなど、各チームともまだまだ気を抜くことはできない状況だ。
そしてレース開始から1時間半が過ぎ、ピットから歓声が上がる中、No.9がトップでチェッカーを受けた。No.9はレースの大詰めでトップへ浮上とチーム戦略がドンピシャリと当たった格好だ。25秒遅れで続いたNo.19はエースライダーの頑張りが結実してNT2クラスでは先頭でゴール。54秒遅れでNo.92PRT TOPS With YSS Sniper、67秒遅れでNo.39が続き、ここまではトップと同一周回となる75周でフィニッシュ。上位3チームは表彰台に上がり、最後の茶耐を存分に走り切って満足な表情を見せた。

Results »決勝

Force1

No.51ベスラレーシングTEC2&YSS
ライダー交代を引っ張った戦略で優勝

次に、いよいよ茶耐最後のレースとなるForce1が始まった。フルグリッドとなる40台がホームストレート右端にマシンを並べ、先発組、後発組と時間差を設けた2段階のルマン式スタートにより全車がコースへ飛び出した。先手を取ったのはNo.51ベスラレーシングTEC2&YSSで、No.34teamゆるふわ+矢正興業とNo.67ライディングスポーツファイヤ67が続いて3名が序盤からスプリントレースさながらの接近戦を繰り広げる。しかし6周目辺りから早くもバックマーカーが現れ、そのパッシングのタイミングで明暗が分かれる。No.67は6周目の最終コーナーでトップに浮上すると、この機を逃がすまいとペースを上げて後続を引き離すことに成功。他方、バックマーカーに前を阻まれたNo.34とNo.51はトップから少し離されたが、2位を争いながら周回を重ねる。一方でマシントラブルによりコースサイドをバイクを押しながら歩くチームが出るなど、ここでも耐久レースの難しさが浮き彫りとなる。
レース開始から1時間が経過したタイミングで53周を走り終えたトップのNo.67がピットインしてライダーを交代。同じタイミングでNo.34もピットに入り、ライダー交代とガスチャージを行う。他方、No.51は異なる戦略を採り、もう少し第1ライダーの走行を引っ張りレース開始からちょうど半分の75分経過時にライダー交代を行った。これが功を奏してNo.51はライダー交代後もトップを譲らず快走を続ける。それとは対照的にNo.67は5位まで後退し、代わってNo.86Mガレージが2番手に浮上した。そしてレース開始から1時間半弱の72周目にNo.65弾Run部・群央商事RTが2番手に浮上する。
No.51は変わらずトップを走行。同一周回はNo.65だけで、3位以下はすでに周回遅れとなっている。そのNo.65が79周でピットに入った時点でNo.51は全車ラップを達成。しかし、残り1時間となった80周で4番手を走行中のNo.67はアンカーの元MotoGPライダー宇川徹を投入。2019年に茶耐を制している宇川は、ブランクを感じさせないアグレッシブなライディングでバックマーカーを蹴散らし続け、MotoGPクラス優勝経験者の実力を見せつけた。そして残り30分となった106周目には周回遅れながらトップを走るNo.51を捕らえて同一周回に持ち込んだ。一方で残り50分となった88周目に4位を走行していたNo.65が第2ヘアピンで転倒を喫するなど、上位陣といえども緊迫した状況が続く。
ゴールまで残り30分を切った頃、日は傾いて眩しい西日がコース上に差し込む。各チームは最後の力を振り絞ってゴールを目指すが、最後まで何が起こるかわからないのが耐久レースだ。残り10分を切り、ゴールが目前に迫った中でNo.21フジタ商会3軍が一瞬の隙から最終コーナーで痛恨の転倒。まだNo.6カタクラがスローダウンしてホームストレートを通過するなど、土壇場でのアクシデントが続く。
そしてレース開始から2時間半が経過し、トップのNo.51にチェッカーフラッグが振り下ろされた。続いてNo.67がトップと唯一の同一周回でゴール。そしてNo.34が3周遅れでチェッカーを受けて上位3チームが表彰台に立った。以降も最後まで走り抜いたマシンはそれぞれがピットからの温かい歓声を受けながら感動のチェッカーフラッグを受けた。
このレースは4サイクル250ccマシン頂上決戦という面も持ち、4気筒のN250FクラスはNo.10OBFactoryとある中の仲間たち、2気筒のNT2クラスはNo.51、単気筒のNS2クラスはNo.50介護士さんありがとう by t2y、バイアスタイヤのFT2クラスはNo.5TEAM ULTRA RACING + E-paceがそれぞれ制した。しかし茶耐はレースを楽しんだ者全員が勝者だ。
そして17年に渡って筑波サーキットの耐久レースを彩ってきた耐久茶屋も感動のゴールを迎えた。お茶でもすすりながらと銘打ってきたレースだが、全力で走り続ける者、ライダーをサポートする者、ピットで懸命に壊れたマシンを修復する者、本当はのんびりお茶なんてすすっている場合ではなかっただろう。みんな、良くやった。耐久茶屋をやり遂げたことに誇りを持ってほしい。
耐久茶屋は参加した人々の中にこれからも良き思い出として残り続ける。永きに渡り耐久茶屋を支えてくださいまして、本当にありがとうございました。

Results »途中経過 決勝