Race Report
2024筑波ロードレース選手権 第1戦
待望の2024シーズン筑波ロードレース選手権が始まった。気温は10度未満、路面温度は20度あまりと寒さの厳しい条件下に加え、終始強風が吹き続ける難しい状況だったがライダーの情熱が冷えることはなくホットなレースだった。
TC400/TC250
池田宗敏が復活のポールtoウィン
4列目スタートのNo.9西田敏郎がホールショットを奪って先行逃げ切り態勢に入る。しかし待ったをかけたのがポールシッターのNo.99池田宗敏だ。池田は昨年、スタート時に大クラッシュを喫しただけに慎重なスタートで1周目に5位まで後退したが、そこから追い上げて5周目には2位に浮上した。池田の勢いは止まらずファステストラップをマークしながら西田との差を詰め、9周目の最終コーナーでトップに立つ。池田はそのまま後続を引き離し、4秒近いリードを築いて復活の勝利を挙げた。西田は単独の2位。3名による3位争いはNo.7浅野毅が制し、続いたNo.24石井直はTC250優勝。終盤に遅れたNo.76小林和彦は5位でゴール。
S80
市橋貴志vs大木俊二。大木が完全制覇
No.1大木俊二が真っ先に1コーナーに入る。しかしNo.7市橋貴志が先頭に立って1周目を終了。ここから市橋vs大木の激闘が始まった。市橋がトップスピードを武器に逃げれば、大木はハードブレーキングで対抗して背後からプレッシャーをかける。両者の均衡が破れたのは12周目で、第1ヘアピンで大木が市橋のインに飛び込んだが、市橋はバックストレートでトップを奪還。そして最終周、市橋は最終コーナーへ先頭で進入したが、オーバースピードがたたり痛恨の転倒。これで大木が嬉しい完全制覇を達成した。2位争いは終盤に前へ出たNo.2山崎敏夫が制す一方、No.4秋山龍生が最終周にNo.41藤崎直之を攻略して3位となった。
JP250 DUNLOP OFFICIAL TYRE SUPPLIER/
CBR250RR Dream CUP
齊藤太陽がぶっちぎりの完全制覇
No.33齊藤太陽がポールショットを決めて先行。1周目から後続を引き離しにかかり、ほどなく独走に持ち込んだ。そのまま終始一人旅を敢行し、2位以下を7秒近く引き離す圧勝でポールtoウィンを成し遂げた。単独の2位で続いたNo.73飯高新悟は国際クラス優勝。序盤、3位を争っていたNo.14森山浬は6周目のアジアコーナー立ち上がりで痛恨の転倒を喫し、これで3位に上がったNo.64及川玲はそのまま単独でゴール。No.89大和田亮介も単独の4位でゴールする一方、3名による接近戦となった5位争いは最終周に前へ出たNo.11佐久間咲斗が制し、No.23塚本龍、No.8渡辺瑛貴の順で雌雄が決した。CBRカップ優勝はNo.72小島勇。
TC-Formula/ST1000 DUNLOP OFFICIAL TYRE SUPPLIER
山中正之が横綱相撲でポールtoウィン
予選で唯一の59秒台をマークしたNo.46山中正之がホールショットを決めて先行。そのままペースを上げて周回ごとに後続を引き離し、終わってみれば山中は2位以下に13秒近いリードを築く横綱相撲で嬉しいポールtoウィンを成し遂げた。2位争いは3つ巴の接近戦となり、No.5片野陽介、No.33山崎張起、No.81前田憲明の順でゴール。このうち前田はST1000(Nat)優勝を手にした。以下No.45坂本弘正、No.58神拓也、No.2相川亨、No.9松永海斗、No.22小林俊浩、No.55相馬大介までがトップ10のオーダーとなった。No.31夏目英和、No.57本間亮太までが完走を果たした一方、No.6矢作亨はマシントラブルでリタイヤした。
J-GP3
飯高新悟、25秒差でライバル勢を凌駕
No.73飯高新悟がホールショットを決め、No.50松山遥希が続いて両者による優勝争いが始まった。このうち松山は早めに仕掛け、3周目の最終コーナーでトップを奪う。対して飯高はすぐさまトップへ返り咲き、その後も激しい接近戦が続いたが、8周目に松山がアジアコーナー立ち上がりでリヤを滑らせて痛恨の転倒を喫する。これで単独となった飯高は2位以下に約25秒という大差をつけて嬉しいポールtoウィンを達成した。No.41長谷川雷久が単独の2位となり、紅一点のNo.25藤原雫花が3位で表彰台に立った。No.69大沢一欽が単独の4位となり、No.15古川真一とNo.56富樫虎太郎による5位争いは古川に軍配が上がった。
ST600 Supported by BRIDGESTONE
山本航、ライバルを圧倒の勝利
ポールシッターのNo.36山本航が真っ先に1コーナーへ飛び込んでレースを引っ張る。山本は1周目から後続を引き離しにかかり、ほどなく独走態勢を構築。18周のレースが終わってみれば、山本は2位以下に17秒以上の大量リードを築いてポールtoウィンを決めた。それと対照的に2位争いはNo.86小林光一とNo.8福地直紀による激しいバトルとなり、何度か順位を入れ替えた後、13周目の第1ヘアピンで小林のインに飛び込んだ福地が競り勝ってNat優勝を手にした。4位争いもNo.7松岡久司とNo.11渡辺海志郎の競り合いとなり、松岡が逃げ切って4位を得た。昨年チャンピオンのNo.22岡村健までがトップ6のオーダーとなった。
CBR250R Dream CUP
5名による集団バトル。勝ったのは高橋孝浩
No.38宮島正人がホールショットを決め、No.88竹中祐季、No.93湯浅崇史、No.92本間国光、No.72高橋孝浩らが続いて5名による大激戦が始まった。集団の中では何度も順位が入れ替わり、コントロールラインをトップで通過するライダーは宮島、竹中、高橋、竹中と変わって宮島が先頭で最終周へ突入。バックストレートを先頭で立ち上がったのは竹中だったが、宮島は最終コーナーで竹中のインに入り、さらに宮島のインに高橋がマシンをねじ込んで立ち上がりでトップに浮上。そのまま高橋が優勝して勝負強さを見せつけた。宮島が続き、本間は土壇場で3位に浮上。竹中は最後の混乱で4位に順位を落とし、湯浅は5位でゴールした。
