Race Report
2025 筑波ツーリスト・トロフィー in JULY
梅雨明け早々の7月19日に筑波TT in JULYが開催された。朝から強い日差しが降り注ぎ、決勝前に気温は30度を超え路面温度は50度超という厳しい暑さとの戦いとなったが、レースを終えたライダーたちの表情は一様に明るかった。
NS2

石戸谷稔と渡邉一樹の激闘。優勝は石戸谷
No.46伊藤祐太がホールショットを決める。対してNo.14石戸谷稔がトップを奪って1周目を終了した。一方、3番手で続いたNo.2渡邉一樹は序盤から積極的に攻め、3周目に2位へ浮上すると先頭の石戸谷を猛プッシュする。そして渡邉は7周目の最終コーナーでトップに浮上。対する石戸谷も直後の第1ヘアピンでトップを取り返すなど争いが激化し、攻防の末、渡邉、石戸谷の順で最終周へ。石戸谷は第1ヘアピンで渡邉のインに入るが、その立ち上がりで渡邉が痛恨の転倒。そのまま石戸谷が嬉しい優勝を手にした。伊藤、No.1野村勝、No.22佐藤立樹がそれぞれ単独で続き、4名による5位争いはNo.7小島秀明が制して決着した。
NM

藤代義正がポールtoウィン
ポールシッターのNo.22藤代義正が抜群の蹴り出しで1コーナーへ飛び込んでレースを引っ張る。予選で2位を0.5秒上回るタイムをマークした藤代は1周目から後続を引き離しにかかり、ほどなく独走に持ち込んだ。そのまま先頭で一人旅を楽しんだ藤代は最終的には2位以下をおよそ8秒リードする圧勝でポールtoウィンを達成した。その後方ではNo.30保坂健とNo.46浅野啓治が激しく2位を争っていたが、最後は保坂が逃げ切る形で決着した。そして400ccマシンで参戦したNo.7浅野毅とNo.10反町瑞希による4位争いは、反町が6周目に前へ出ると600ccのエンジンパワーを生かして浅野毅を引き離し、4位を手にした。
B.O.T.T.ACT/MDT/NT1/TN1

波田桂治郎がぶっちぎりでレースを完全制覇
予選で2位を1秒以上上回るタイムをマークしたポールシッターのNo.1波田桂治郎が順当にホールショットを決めてレースを引っ張る。ほどなく独走に持ち込んだ波田は、最終的には2位以下を9秒以上引き離すぶっちぎりでポールtoウィンを達成した。その後方ではNo.9西田敏郎とNo.44冨岡春彦が2位を争っていたが、このバトルは旋回性を武器とする軽量マシンの西田が、エンジンパワーで勝る重量級の春岡を振り切る形で決着した。No.11野口淳一とNo.66加藤顕央が単独で続き、加藤はTN1優勝を手にした。そしてNo.97鎌田克哉とNo.31武田隆司による6位争いは鎌田に軍配が上がった。MDT優勝はNo.13吉田功だった。
NT2/N250F/NS1/MS1

近藤秀明と植村哲也の対決。優勝は近藤
No.13佐藤聖が真っ先に1コーナーへ入る。しかし2周目にNo.69橋本卓也がトップを奪い、3周目にはNo.3近藤秀明がトップに立つ。一方で出遅れたNo.92植村哲也は巻き返して2位へ浮上する。その後9名による先頭集団から近藤と植村が抜け出し、後半は一騎打ちとなる。逃げる近藤に対し、植村はバックストレートで並びかけては引いて攻略の機会を伺う。そして8周目のバックストレートで植村がトップに浮上し、植村、近藤の順で最終周へ。ここで近藤は第1ヘアピンでトップに立つと、バックストレートでは絶妙なブロックで植村を抑え見事な優勝を手にした。植村と橋本が続き、5名による4位争いはNo.75尾張良介が制した。
NB/MT1

山本裕章、ライバル圧倒のポールtoウィン
No.3山本裕章がホールショットを決めて先行。山本は1周目から後続を大きく引き離して独走に持ち込み、ライバルを10秒以上リードする圧倒的な速さでポールtoウィンを達成した。その後方ではNo.24日吉建夫が序盤から単独で2位を走行していたが、1周目を5位と出遅れたNo.41田中建が猛チャージを見せて順位を挽回し、2位の日吉に追いついて最終周へ入る。田中の勢いは止まらず、最終コーナーからの立ち上がりで思い切りスピードを乗せてゴール直前で2位へ浮上してMT1優勝を手にした。タイム差0で日吉が続き、No.47堀雄大は単独の4位。No.54保土澤史如は最終周にNo.30村川優太を攻略して5位となった。
Frontier2

楠隼人が先行逃げ切りでレースを完全制覇
No.39楠隼人が抜群のスタートダッシュを決めて先頭で1コーナーへ入る。楠は1周目からペースを上げて独走に持ち込み、最後までライバルにトップを譲らず後続に5秒余りのリードを築いてポールtoウィンを達成した。No.37大森竜馬が単独の2位で続いた一方、3位争いは4名による集団バトルとなった。序盤はNo.5大間雄飛が3位集団を率いていたが、6周目の最終コーナーでトップに立ったNo.52小堀誠が3位となり、No.62岡﨑雅之、No.46安藤志朗、大間の順でバトルが決着した。以下No.31阿部晃三、No.93小宮雄一、No.77吉田大三、No.70高島正司の順で、それぞれが単独走行でチェッカーフラッグを受けた。
KTM390CUP

9周でレース成立。植村哲也の完全制覇
No.92植村哲也がホールショットから先行してレースを引っ張る。No.27磯雅幸、No.38武田誠浩、No.77長尾秀隆と続くが、植村は1周目から後続を引き離し始め、ほどなく独走態勢を構築した。植村がトップを単独走行したままレースは最終周を迎えたが、第2ヘアピン立ち上がりで転倒した車両がコース上に残されたため赤旗が提示され、規定により9周終了時点でレース成立となった。植村はポールtoウィンを達成。2位争い中だった武田と磯が続き、単独の4位となった長尾はカスタムチャレンジ優勝を手にした。以下No.71吉井俊忠、No.74三田普までがトップ6でゴール。ノーマルファン優勝はNo.30臼倉善則だった。
B.O.T.T.WCT/MIP

山口辰也が先頭でチェッカー。優勝は竹田敏彦
No.94山口辰也が先頭で1コーナーへ進入してレースを引っ張る。先頭の山口に対し、続いた新庄はファステストラップをマークしながら背後に迫ったが、終盤になると両者の間隔が広がり、山口が3秒余りのリードを築いてトップでチェッカーを受けた。新庄が続いたが、上位2名は規定により賞典外。3番手ゴールのNo.41竹田敏彦が正式結果での優勝となった。その後方ではNo.8氏家康典とNo.51砂塚知男が激しく2位を争っていたが、この勝負は最終周に前に出た砂塚が制し、3位の氏家はWCT優勝を手にした。No.9西田敏郎が単独の4位となり、No.27舛井宗一朗とNo.4上石達也による5位争いは舛井が逃げ切って決着した。