Race Report
Circuit Trial Rd.2
2024 JAF筑波サーキットトライアル選手権シリーズ第2戦
予想外の高温コンディションにトラブル勃発!
溝口敦子選手がライバルを交わして開幕2連勝!!
5月5日、こどもの日に開催されたサーキットトライアル第2戦。「筑波サーキット・カーフェスティバル2024」と併催された当日は無料開放されたパドック内にも多くの子どもの姿が見られ、いつもとは違った賑やかな雰囲気の中で開催された。
サーキットでは第1ヒートまでに計13本ものレース走行が行われており、路面には観客席からも分かるほどタイヤカスが散乱している。さらに当日の路面温度がピークで50度を越え、参加選手には厳しいコンディションの下でスタートを迎えた。
排気量制限無しや2400cc以下の大排気量車で構成されるCT1からCT4クラスのA組は総勢28台がエントリー。午前に行われたレースで起きたクラッシュ事故の影響で、予定より30分ほど押した15時ジャストに第1ヒートが開始。前回、初参戦で1位を飾ったCT1クラス溝口敦子選手からコースイン。2番目にインした澁澤栄一選手が2周目で早くもアタックし、1分1秒330をマーク。溝口選手が残り5分を切った計測9周目で1分2秒133と粘り強くタイムを更新し続けるも、澁澤選手の記録を破れず第1ヒートを終えた。「去年、第1戦と乗った車が思った以上に色々とダメージが大きかったので、久々に20年選手のGDAを引っ張り出しました。今日は暑いので置きに行くタイムを意識しました」と語る澁澤選手。
CT2クラスではポルシェ718ケイマンを駆る松代耕二選手が3周目で1 分1秒820とクラストップタイムをマークし、総合2番手にランクイン。前回2位の森田正穂選手が計測2周目で1分2秒211を記録するが、惜しくも1秒台に届かず2位で第1ヒート終了。「出走時にバッテリートラブルがあって最後尾のスタートでした。暑さも相まって最初の数周だけまともに走れたので、1周で記録を出そうとしました。」と松代選手。CT3クラスはZ33の秋本拓自選手が1分3秒517と同クラス唯一の3秒台に滑り込んでクラストップを獲得。そしてCT4クラスでは14台がエントリー。中でも前回1位の宮崎邦紘選手が2位と1分の差を付けてフィニッシュ。今年初参戦の宮崎選手がトップの再び王座に王手を掛けた。
続く2本目は日が傾き始めた16時50分にスタート。開始直後の2周目で澁澤選手が1分1秒383をマークするも第1ヒートベストに0.003秒差で届かず。同じラップで溝口選手も負けじと1分1秒579と0.2秒差で迫る。4周目で澁澤選手が1分1秒376でタイムを更新。すると溝口選手が6周目で1分1秒259とさらに上回り、総合優勝を果たした。
「第1ヒートはミッションオイルが高温になってしまって安全装置が作動してしまったんです。失敗を生かして2ヒート目は出走前に車を冷やしたり、走行中にクーリングしながら走りました。ライバルの澁澤選手に負けていたので後半は1m奥でブレーキするよう意識していましたね」と溝口選手は優勝を振り返った。
CT2クラスは松代選手が2周目に1分1秒973を計測するも第1ヒートの記録更新ならず、総合3番手でフィニッシュした。CT3クラスでは終始アタックし続けた秋本選手が11周目でクリアラップを取り、前半より0.02秒更新した1分3秒496で1位となった。CT4クラスでは軒並みタイムを更新。しかし宮崎選手が計測ラスト7周目に1分4秒114で自己タイムを更新し、開幕戦に続くクラス優勝が確定した。
B組はCT5からCT8の計4クラス。CT8とは国産車5ナンバーサイズ且つハイブリッド車両もしくはEV車両のクラス。今回は遠藤幸和選手の日産ノートe-POWER1台がCT8クラスでの出走となった。
CT5クラスでは前回覇者の石井均選手からコースイン。しぶとくアタックを続け11周目で石井選手が1分8秒051でクリアラップをマーク。2位の鯉渕慶比古選手は1分8秒454とわずか0.3秒差のギャップでフィニッシュした。CT6クラスは8台のエントラントのうち、上位4台をND型ロードスターが占める結果に。中でも前回2位の堀知海選手が1分7秒868と唯一7秒台に入り、クラストップの座を獲得。前回8秒台の自己ベストも更新し、全体1位の結果を収めた。「前回からアライメントを取り直したり、足回りもリフレッシュした準備が生かせた結果になりました」と堀選手は振り返る。CT7クラスは前回1位のND5RCロードスターを駆る坂本大知選手が1分10秒534で安定の走りを見せる。CT8クラスの遠藤選手はバッテリーリミットの都合上、オープニングラップの他は1周のみのアタックとなった。
2ヒート目に入ると路面温度が40度を下回った事もあり、積極的なアタックを見せる選手が目立った。CT5クラスはほとんどの選手が12〜3周を走る中で鯉渕選手が8周目に1分7秒871とクラスで唯一の7秒台をマーク。1ヒート目で堀選手が出したB組トップタイムをわずか0.003秒のみ上回って、鯉渕選手がB組総合トップに輝いた。「1本目を終えた後、リアを動かすようにしたらアクセルオンでオーバー気味に動くようになったのが良かったかもしれません」と振り返る鯉渕選手。
CT6クラスも半分以上の選手が10周以上走るが、多くのクリアラップは前半に集中。そんな中で堀選手が果敢にアタックを続けた結果、唯一12周目にクリアラップを出し、第1ヒートに続いて7秒台をマーク。しかしベストを上回る事なく、1ヒート目のタイムで優勝を確定させた。CT7クラスはタイムを更新されずに第1ヒートで1位の坂本選手が優勝。CT8クラスは遠藤選手が第1ヒートから0.4秒上回る1分20秒308を記録した。
予想外の暑い気候から急遽の対応に翻弄される選手が目立った第2戦だが、次回の開催は6月。梅雨の時期ならではの走りが見られるのか。さらなる予想外の展開に期待したい。
コース2000の攻略法やマシンセットアップ!
その方法をJAF筑波サーキットトライアル選手権の猛者に教えてもらおう!!

次世代EVドライバーの先駆者
CT8 遠藤幸和 選手
国産車メーカーの5ナンバーでAE車両(HVカーもしくはEVカー)が参加するCT8クラス。このクラスに初参加したのがサーキットトライアル経験を持つ遠藤幸和選手だ。今回日産ノートeVで初参加した遠藤選手にマシンのポイントについて聞いた。