Race Report
Super FJ Rd.3
2024 JAF筑波/富士スーパーFJ選手権シリーズ第3戦
筑波開幕戦での悔しさを晴らした勝利の走り!
猛攻を交わした角間光起選手がポールtoウィン!!
筑波サーキット・カーフィスティバルが開催されたこどもの日にJAF筑波スーパーFJ選手権の第2戦が行われた。ゴールデンウィーク期間の当日は子供から大人まで多くのモータースポーツファンがサーキットに集まり、観客の熱も通常よりも高まっている。
注目選手は3月の初戦、4月13日に行われた富士第2戦の両方で勝利を飾ったセンドラ船戸アレックス翔太選手。そして、その富士2戦目の決勝終盤で惜しくもセンドラ選手に敗れたZAP SPEEDの伊藤駿選手にも目が離せない。
開始時刻の9時25分時点で、気温24.3度、路面温度39.6度と夏のようなコンディションで予選が開始。センドラ選手を先頭に、ZAP SPEEDの伊藤駿選手、黒川史哉選手、ファーストガレージの石井大雅選手、酒井翔太選手と今季の実力者が続々とコースイン。
2ラップ目になると各車ともにアタック開始。まず伊藤選手が59秒305、石井選手が59秒315、内藤大輝選手が59秒418と、3名とも早々に58秒台を視野に入れた走りで攻める。3ラップ目で伊藤選手が59秒046、内藤選手が59秒119とさらにタイムを絞る。4ラップ目では、それまで6番手だったELEV角間選手が58秒718で一気に首位へ上がり、続く石井選手、伊藤選手、センドラ選手と計4選手が58秒台を記録。その後、6ラップ目で伊藤選手が58秒567、石井選手が58秒572、ファーストガレージ津田充輝選手が58秒694と58秒台の熾烈な争いが繰り広げられる。
均衡するラップが何周か続き、折り返しとなる開始10分。10ラップ目のセンドラ選手がトップタイムの58秒530をマークするも、11ラップ目で伊藤選手が58秒454で巻き返す。13ラップ目には角間選手が58秒547と3位に付ける。
残り1分終盤に差し掛かると、さらに混迷を極める上位争いが勃発。まずセンドラ選手が58秒384をマークし、2位の伊藤選手と100分の7秒差だけ突き放す。そのわずかな差に角間選手が58秒429で入り込み、レースはフィニッシュ。上位3名はトップからセンドラ選手、角間選手、伊藤選手の結果となった。
「路面温度も気温も高くて厳しかったですね。前半はタイヤのタレが早く来たのでタイムも8秒4ぐらいでタイムも出なくなって。ピットに入ってタイヤの内圧を下げたらタイムを出せました。クリアラップはダンロップコーナーでミスをしてしまったのですが、2ヘアで上手く行ってなんとか取り戻せました」と予選1位を獲得したセンドラ選手が振り返った。
決勝レースは気温が30度を超え、路面温度も50度を超えるコンディションで火蓋が切られた。フォーメーションラップを終え、シグナルがブラックアウトして全車スタート。その直後、1番グリッドのセンドラ選手がスタートの加速に失敗し、2番グリッドの角間選手がすかさずトップに躍り出てホールショットを獲得。1コーナー終わりでは角間選手の背後には3番グリッドの伊藤選手が付き、センドラ選手は3番手へ降格。さらに1ヘアコーナーで4番グリッドの石井選手によるアウト側からの仕掛けを許してしまい、センドラ選手は4番手まで下がってしまう。「蹴り出しは良かったんですけど、2速に入れる時にどこにも入らなくて。4位まで落ちてしまいました」とセンドラ選手。
その後、角間選手は安定した走りを見せて快走。2位の伊藤選手は0.5秒、0.4秒、0.3秒と角間選手とのギャップを徐々に埋め、7ラップ目では0.2秒まで詰め寄る。
しかし全体が9ラップに入った直後、ファーストガレージ津田充輝選手が第1コーナーでスピンを喫してマシンがコースの境目でストップ。これによりイエローフラッグが出て、11ラップ目でセーフティーカーが導入される事態に。その後、全車ともにSCカー先導で数周し、15ラップ目でレースが再開。リスタート後もランキングの構図は変わらず、角間選手が堅い守りでトップを維持。最終18周で伊藤選手が最終コーナーで仕掛けるも角間選手がブロックラインを守り切ってフィニッシュ。
「レース中は角間選手との距離が詰まっていて射程圏内だったんですけど、向こうのエンジンが早くてストレートで巻き返されるというか。色々チャンスはあっても結局掴めずに終わっちゃいました」と伊藤選手は悔しさを交えてコメント。
一方、開幕戦で3位に入賞するも悔しさを見せていた角間選手が、ようやく昨年シリーズ最終戦以来の今季初勝利を掴んだ。「自信を持ってレースに挑める環境にしてくれたチームに感謝ですね。前回悔しい思いをしているのでなおさら今回の勝利が嬉しいです。次に繋がるセットアップやドライビングポイントも見つけたので良い週末を過ごせたと思います」と角間選手は喜びを述べた。
マスターズクラスは予選に新マシンで臨んだ秋山健也選手が全体6位にランクイン。決勝は2周目で1つランクを上げて5位に浮上するも、最終的に6位の成績を収めた。
今回、表彰台に上がった3名のうち2名がバーチャルレース出身者という結果になった第2戦。これは新たな時代の訪れを感じさせる風なのか。今までのシリーズとは違った様相を見せ始めている。
Winners Interview

優勝
角間光起選手
今回はスタートの蹴り出しが良かったですし、終盤で伊藤選手とのバトルになっても車が手足のように思うままで動かせました。終始自信を持って走れたのが勝利に繋がったと思います。元々突っ込みがちな部分が自分の強みでもあるので、それに対応したブレーキもできるように車を作っているのも(良かった)。今回勢い付いたところもあるので次回も勝利を狙います
2位
伊藤駿選手
一言で言うと悔しいですね。レース中、突っつける所は突っついて何かしらチャンスを伺っていました。何回か最終コーナーで並んだりしたんですが、相手の出だしが早かったので結局抜くまでには行かなかったですね。相手がイン側を絞っていたのでアウト側を自由に使って速度を乗せて並ぶのが正しいんですが、セットアップの違いもあるのか実現には至りませんでした。次回は出来る限りの準備をして勝利をぶん取ろうと思います!