Race Report
Super FJ Rd.1
2024 JAF筑波/富士スーパーFJ選手権シリーズ第1戦
2年ぶり参戦のセンドラ船戸アレックス翔太選手が優勝
予選・本戦W勝利で圧巻のポールトゥウィン!
国内フォーミュラスポーツの登竜門であり、トップカテゴリーで活躍する名ドライバーを輩出し続けるスーパーFJ選手権。春の訪れとともに筑波シリーズが今年も開幕を告げた。昨年はファーストガレージ小村明生選手という絶対王者の誕生や、SIMレース出身のニューカマーELEV角間光生選手の台頭など新たな様相を見せた筑波シリーズ。今回は14選手のうち6名が新参戦となっている。2月の鈴鹿で開催されたフォーミュラビート初戦で優勝デビューを果たしたファーストガレージ酒井翔太選手や筑波シリーズ2020王者のZAP SPEED伊藤駿選手にはレース前から注目が集まる。カムバック勢も加わり、昨年から顔ぶれが一新した幕開けとなった。
当日は湿度63%、気温11度という春めく気候の下、8時43分に予選がスタート。開始3分が経った頃から各車がタイムアタックを始めると、最初に59秒台を割ったのはRCITの内藤大輝選手だった。内藤選手が59秒374をマークすると、この日がデビューのFG津田充輝選手が59秒542、角間選手が59秒654と僅差で追いかける。
開始4分、2022年の筑波シリーズ最終戦以来の参戦となるセンドラ船戸アレックス翔太選手が58秒803でトップに進出。すかさず角間選手が58秒590、内藤選手が58秒624と両者ともセンドラ選手を7周目まで上回るタイムをマーク。以降、各選手が57秒の壁を越えようと果敢に挑戦する中、最初にその壁を越えたのはセンドラ選手だった。センドラ選手が開始7分で58秒268を記録すると、次のラップで58秒180と57秒台まで僅かに迫る勢い。続く角間選手が58秒398、3位の内藤選手は58秒572、4位にはこの日デビューのFG津田選手が58秒607を次々とマークしながらトップを追う構図に。
開始11分、11周目の内藤選手が58秒176でセンドラ選手を上回るも、すぐにセンドラ選手が58秒134でトップを奪い返す。センドラ選手は次の周でいよいよ58秒台を破り57秒979へ突入。さらにその勢い止まらず57秒866と自身のタイムを更新する。その背後では13ラップ目の津田選手が58秒112で2位にアップ。終盤になり、15周目の角間選手が58秒260で4位、続いて58秒113をマークして3位に浮上した。結果的に唯一57秒台に入れたセンドラ選手がポールポジションを獲得。2位には津田選手、その津田選手に1/1000秒まで迫った角間選手が3位の結果で予選が終了した。
その後、温度は上がり続けて気温17度、路温26度のドライコンディションで18周の決勝がはじまった。スタート直後、ポールポジションのセンドラ選手が蹴り出しに失敗すると、その隙を逃さずフロントローの津田選手がホールショットを獲得。さらに予選3位の角間選手が迫り、第1コーナー手前でサイドバイサイドに!角間選手にインを取られ、センドラ選手は3位に下落‼最終コーナーで再び角間選手とセンドラ選手がサイドバイサイドになるも、インから前に競り出たのはセンドラ選手だった。そのままセンドラ選手は第1コーナー手前で角間選手の前方位置を押さえ、2位へポジションアップ。トップ勢が乱戦のオープニングラップを見せる一方、2周目に入ったゼッケン18の水谷誠選手が第1コーナーで無念のスピン。セーフティーカーが導入され、SCランが行われる事態となった。
7周目でセーフティーカーがピットレーンに下がると、8周目でレースが再開。SCランによって1位との差が縮まったセンドラ選手は機を窺いながら、最終コーナーでイン側から刺してトップの座を奪回。その後センドラ選手は10周目に58秒703、11周目で58秒439をマークし、後位との確実に差を開けながらファステストラップを更新し続ける。
一方、後続では白熱した争いが繰り広げていた。2位となった津田選手のすぐ背後には角間選手がピタリと付き、さらに4位の内藤選手も必死に食らい付く。11周目には津田選手が1.449秒、角間選手が1.950秒、2.204秒と1秒の中で3組がひしめく展開に。さらにマスターズクラスでは8位の秋山健也選手がトップとなり、12位に畠山退三選手、後ろには13位の本間隆史選手が迫り来る姿を見せる。
「最後の方は自分の考えも落ち着けたので攻めるように行けました」とレース後に語るセンドラ選手は、17周目で58秒425と尚もファステストラップを更新。続く2位の津田選手が58秒486、3位の角間選手が58秒659と各々ベストラップを更新するもランキングは動かずに最終ラップへ突入。ラストはセンドラ選手が58秒245とさらにタイムを更新し、トップのままフィニッシュして見事レース初優勝を果たした。 2位にはレース初出場の津田選手、3位には前シリーズの最終2戦で連続勝利を飾った角間選手。4位には3位に惜しくも迫った内藤選手、5位に伊藤選手、6位に15歳の酒井選手、7位に伊藤選手、8位にはマスターズクラス優勝の秋山選手が入った。
Winners Interview

優勝
センドラ船戸アレックス翔太選手
本戦のスタートはクラッチが出遅れて、2速に入れるのもミスって角間選手に並ばれてしまいました。普段からシミュレーターでも練習しているんですけど、ロックインすると前にいる車を抜くためには何をすれば良いのかナチュラルに出てきた感じですね。毎日3時間の練習をしているのですが、体が覚えているシミュレーターの感覚で何も考えずに抜きました。トップになってからはプッシュし過ぎても車が熱くなってしまうので、抑えながら完全プッシュではなかったです。最後の方は自分も落ち着けたので攻めるように行けました。次の富士でも今回のようにポールトゥウィンで行きます!
2位
津田充輝選手
今回が初レースだったんですけど、慣れないスタンディングスタートや途中でSCランも入ってびっくりしました。SCラン中は1番前だったのでどうして良いか分からないままレースが進み…。1回のレースで色々なことを経験できたので良かったです