Race Report
Super FJ Rd.6
2024 JAF筑波/富士スーパーFJ選手権シリーズ第6戦
3人目の勝者はファーストガレージ酒井翔太選手!同門石井大雅選手も2位に入りトップとのポイント差をグッと縮める結果に!!
朝8:00の時点ですでに気温30℃を超えたこの日。照り付ける太陽にどんどんと路面温度が上昇していく。前日開催された筑波サーキットトライアル第4戦では最高気温38℃をマークし、路面温度も60℃を超える非常に厳しい中での開催となったことを考えると、この日も同様な気象条件が想定された。15分間という短い予選だが、それでもクールスーツなど熱中症対策がないスーパーFJにおいてはドライバーの体力と精神力が試される大会でもある。
そんなJAF筑波スーパーFJ地方選手権第6戦は定刻通り8時55分から開始された。この時点で路面温度は40℃。これだけ熱くなると、タイヤマネージメントも重要となる。各車コースイン。ランキング上位につけるファーストガレージの石井大雅選手は序盤から好調なタイムメイクをし、リーディングボードでトップタイムを牽引していく。しかし、すぐに同じくファーストガレージの酒井翔太選手にトップタイムを更新されると、もう1度タイムアタックを敢行!終盤、このタイミングでアタックに入れば…という瞬間に石井選手のマシンにトラブルが発生する。リアのハブベアリングが固着…、ストレートで異音がはじまると、第2ヘアピンを前にリアから白煙が上がり、ドライブシャフトを破損してしまう。一方、6周目に石井選手のタイムを更新し、ピットでその様子をうかがっていたのは酒井翔太選手。「2周目で8秒台に入って、その後タイムが落ちてしまったんですが、6周目に全体的にまとめられました。特にミスもなく、本当に良くまとまったタイムでした。最終コーナーのボトムも2つのヘアピンのボトムスピードも稼げたと思います。その後、タイヤの美味しいところを使い切ってしまったんで、一度ピットに戻ってきて周囲の様子を見守りました。路面温度が高いこともあって、この後走ってもタイムアップは難しいだろうと思っていました」と語る酒井選手。そんな酒井選手が6周目に記録したタイムを誰も抜くことはできず、第6戦のポールポジションは酒井選手が手にした。決勝を考えると各車予選で15周以上タイヤを酷使する中、早々に切り上げ10周で予選を終えた酒井選手のアドバンテージは大きい。そんな酒井選手は決勝に向け「フロントロー1to2がファーストガレージなんですが、きちんと1コーナーを抑えて自分のレースをしたいですね」と語った。一方、そんなファーストガレージのふたりを、かつてこの筑波シリーズを戦った岩本瞬選手は「石井選手は何も考えずに走るとタイムが伸びてくる選手ですね。一方、翔太は最近グッと伸びてきて自信をつけています。津田選手も開幕戦は調子良かったんですが、ここ数週間でまた速さを取り戻してきています。ファーストガレージはチーム内での争いも熾烈なので競争意識が高いので急に伸びる選手もいます」と今季のチームを話してくれた。一方で、シリーズランキング首位を走る角間光起選手はまさかの8番手。厳しい位置からのスタートとなった。
そんな公式予選から僅か4時間後、スーパーFJシリーズ第6戦の決勝は開始された。全車グリッドに並んだ後、筑波サーキット独特のタワー式のレッドシグナル3つが消灯しブラックアウトからレースはスタート。最初に蹴り出しの良さで飛び出したのはフロントローの2台。一瞬、2番手石井選手の蹴り出しが良いようにも見えたが、勾配がきつくなる100m看板前には酒井選手のシフト操作が勝りマシン1台分抜け出す。この結果、酒井選手は難なくホールショットを獲得。そして2番手スタートの石井選手に襲い掛かったのは3番手イン側スタートの塚本凛生選手だった。1コーナーのブレーキングで石井選手のインを取ると、頭ひとつ先に1コーナーへ飛び込むことに成功する。しかし、石井選手もまったく引くそぶりを見せず、並んで1コーナーをクリア。すると続くS字でイン側に付ける石井選手は塚本選手の追撃を振り払い2番手をキープする。この隙に1車身しっかり前に出たのは酒井選手。2周目以降はがっちり2番手の差を広げてトップをキープする。序盤のペースが良かった石井選手だったが、酒井選手を捕らえるほどのペースはないもどかしい状況。酒井選手に何度か追いつく場面もあったが、予選で酷使し、トラブルでさらに摩耗したタイヤでは成す術もない石井選手。0.8秒差まで最後は追い上げるも、トップ酒井選手には届かず2番手でレースを終えた。一方、自身3勝目、今季の筑波シリーズ初優勝となった酒井選手は大きくガッツポーズしゴールチェッカー‼その後ろで熾烈な3位争いをしていた塚本選手とファーストガレージ落合蓮音選手。スタートで出遅れてしまった落合選手だったが、序盤に犯したシフトミスの差を取り戻すことはできずコンマ1秒差で4位に…。惜しくもファーストガレージでの表彰台独占とはならなかった。一方、ランキング首位を走る角間選手は8位フィニッシュ。この結果、角間選手と石井選手の差は9ポイントと一気に縮まり、酒井選手は4番手に浮上。残り2戦で最大40ポイントを獲得できることを考えるとまだまだ予断を許しそうにない。
Winners Interview

優勝
酒井翔太選手
とりあえず勝てて良かったです。1周目が粘りどころかと思って、最初から集中していきました。序盤、ペースを上げることができず、石井選手の方がペースは良く厳しいレースでした。少しでも気を抜くと石井選手に抜かれると思ったんで、とにかく集中して自分のペースをしっかり上げることだけを考えて走りました。残り2戦ですが、これを機にもっとタイムを出せて、決勝でも強い走りができるようになりたいです
2位
石井大雅選手
1コーナー、アウトから行ってやろうと思ったんですが、ダメでした。3番手の選手を意識しすぎたのが良くなかったですね。1ヘアピンでトラクションをかけるのが早すぎて、ホイルスピンさせてしまい序盤でタイヤをオーバーヒートさせてしまいました。次こそは優勝の1点だけを見据えてタイトル争いでも首位に立ちたいと思います