Race Report
Super FJ Rd.3
2023 JAF筑波/富士スーパーFJ選手権シリーズ第3戦
全戦優勝に向けて1歩前進!今シーズン彼を止める事は出来ないのか?
小村明生選手が開幕から3連続ポールtoウィンを成し遂げる!
前戦から比較的短いインターバルを挟んで5月28日に第3戦の舞台が開かれた。今回はニッサン・スポーツ・カー・クラブ(SCCN)主催のMAY RACE MEETING in TSUKUBAに組み込まれている。スーパーFJの他にも多くのカテゴリーが開催されており、多様なクルマや競技を1日で楽しめるイベントだ。この日の筑波は、やや曇り空ではあるが終始ドライコンディション。時折見せる太陽によって、気温も路面温度もジワジワ上昇していき、予選が開始される頃には気温25℃、路面温度35℃前後で推移していた。
9:40から20分間の公式予選が開始。最初にターゲットタイムをマークしたのはシリーズランキング2位、ZAP SPEEDの武者利仁選手。早々に58秒台に突入し、58.875をマークする。それを塗り替えたのは、やはりポイントリーダー小村明生選手。58.839で僅かに上回ってみせる。その後は小村選手が58秒台半ばまで更新し、各選手も順調にタイムを短縮していく。その中でタイムボード上位に食い込んできたのはELEVレーシング角間選手とZAP SPEED小田部選手。角間選手は第2戦がデビューレースとなったが、堂々とした走りで周回を重ねていく。2人に続いた小田部選手は、雨の開幕戦こそ表彰台に登る鮮烈なデビューを果たしたが、第2戦では結果に結びつかなかった。その小田部選手は「前回はドライのパフォーマンスが不足してスタートも失敗してしまいましたが、今回は良い位置に戻って来ます。ニュータイヤで1発のタイムを引き出すのはまだ改善が必要ですが、ユーズドのパフォーマンスはチームの中でも1番。スタートもイメトレを重ねてきました。」と自信を覗かせる。小村選手は58.300までタイムを伸ばし、2番手には小田部選手が58.622をマーク。2番手以下は僅差で続く展開だが、小村選手は他車を0.3秒以上も引き離しており、高い壁として立ちはだかる。セッション中盤から終盤までは大きな順位の変動は見られなかったが、武者選手が最後のアタックで58.564で2番手に躍り出ると、チームメイトの中澤選手が小田部選手を1000分の5秒上回る58.617で3番手に浮上。しかし、小村選手&ファーストガレージの牙城は崩せず、これで小村選手が3戦連続ポールポジションを獲得した。ZAP勢は3台で2番~4番グリッドを確保し、打倒ファーストガレージを目指す。5番手には角間選手が続いた。マスターズクラスからは3台がエントリー。ゼッケンNo.3の秋山健也選手が59.012で総合8番手のクラストップ。久々の復帰を果たした塚本成人選手が59.519でクラス2番手、本間隆史選手が同3番手で続いた。秋山選手は3戦連続のクラストップで予選を終え、自身の目標でもある総合での上位入賞に向けて決勝レースに臨む。
迎えた18周の決勝レース。フォーメーションラップを終え、各車グリッドに整列しようとした矢先、11番グリッドの塚本選手が最終コーナー手前でマシントラブルの為ストップ。週末はスタート練習を入念に行っていたとの事だが、その影響なのかドライブシャフトの破損が原因だった。レースコントロールからは1周減算の17周で争われることがアナウンスされ、仕切り直すべく各選手は集中していく。再度1周のフォーメーションラップを行い、今度は全車問題なくグリッドに戻ってくる。いよいよレースがスタートし、まずは小村選手がホールショットを奪う。その後方では出遅れた5番グリッド角間選手を6番グリッドの内藤大輝選手がパスした。しかし、オープニングラップを終えるまでに角間選手は順位を取り戻してホームストレートに帰ってくる。トップ小村選手は早くも2番手の武者選手にギャップを築き始め、独走状態に持ち込む構えだ。5位を奪い返した角間選手は4番手小田部選手を果敢に攻め立てていき、1コーナーで何度も並びかける。小田部選手もブレーキングを遅らせ、スモークを上げながらも順位を死守する。
一方のトップ小村選手はギャップを広げ続け、4秒近くのリードを築く。武者選手のタイムも悪くなく3位中澤選手を引き離す展開だが、頭一つ抜けたペースで武者選手に付け入る隙を与えない。圧巻の走りでそのままトップチェッカーを受け、開幕から3連続ポールtoウィン。2位には3戦連続の表彰台獲得となる武者選手が入り、終盤は4位以下に詰め寄られるも3位を守り切った中澤選手が筑波シリーズ初表彰台を飾った。
塚本選手のリタイアにより本間選手と2台で争われることになったマスターズクラスは、秋山選手がスタートからオープニングラップで順位を2つ下げ、10番手まで後退するもペースは速い。ゼッケンNo.56岩本瞬選手をパスし、No.72木下祐希選手にも襲い掛かる。終盤、1コーナーのブレーキングで並びかけるも、木下選手がしっかりとインをブロックし、8番手をキープ。木下選手をオーバーテイクとはいかなかったが、秋山選手がマスターズ優勝を飾り開幕から3連勝を記録。本間選手は、岩本選手が1コーナーのブレーキングでオーバーシュートしかけた隙にポジションを上げ、マスターズ2位、総合10位で終えた。
次の筑波戦は7月末に開催される。小村選手に開幕3連勝を許したライバル達は黙っていないだろう。真夏の厳しい戦いが予想されるが、シリーズタイトル争いにも注目だ。
Winners Interview

優勝
小村明生選手
「筑波戦の前半をポールも全て獲って、一度もトップを譲ることなく終えられて良かったです。全周フルプッシュとはいきませんが、途中でも4秒近く離せました。(6月の富士戦は欠場の為)次は2か月ほど間が空きますが、ライバル達も力を付けてくるでしょうから。感覚を忘れずに、ポールtoウィンで全勝目指していきます。」
2位
武者利仁選手
「優勝出来ず悔しいのはもちろんですが、自分の持っている技量を100%出し切れた3戦目だったと思います。そういう意味では清々しい面もあります。今は小村選手と対等な力ではないので、セットアップも煮詰めて、自分自身のドライビングも練習で高めて、彼に追いつき、追い越せる様に頑張ります。」