Race Report
Super FJ Rd.8
2023 JAF筑波/富士スーパーFJ選手権シリーズ第8戦
年間チャンピオンとランキング2位不在のチャンス到来‼角間光起選手がポールtoウィンで連覇達成‼期待の新星・豊島里空斗選手が初参戦で堂々2位にランクイン!!
モータースポーツ界の花形であるフォーミュラ。その次世代の頂点を目指す原石達が終結するのが、このSuper FJだ。F1で活躍中の角田裕毅選手をはじめ、国内外で活躍する数多のトップドライバーを輩出している同カテゴリーが誕生してから早16年。今年も漢達の熱き闘いの一つが、この筑波サーキットで決着を迎える。
前回の第6戦ですでに年間タイトルを獲得している小村明生選手、ランキング2位の武者利仁選手は今レースでは不在。9月に初優勝を果たしたルーキー・角間光起選手、3位の中澤凌選手、そして、今年のもてぎ菅生ですでに2連勝している高校1年生レーサー・豊島里空斗選手がスポットで初参戦するなど、今回は12台がエントリー。番狂わせが起こる可能性が高いハードウェットのレースで、虎視眈々と表彰台を狙う。悪路の試練に直面する経験の浅い若手レーサー達。才能とテクニックにより、人車一体となってこの逆境を覆していくのか。波乱が予想される死闘が幕を開けた。
予選から路面には至る所に川や水溜りができ、後続車はウォータースプラッシュにより視界不良となる難コンディション。ドライならば1分を切る選手らも、今回ばかりは1分4秒、5秒台が精一杯でタイムが伸びない。各車、慎重な走行を見せていたが、4周目にダンロップコーナー付近でコースアウトした車両が発生し、赤旗中断へ。この遅延による予選時間の延長はなしとの判断が下されると、まだ本領発揮できずにいた選手に焦りが募る。ヘアピンでスリップなどのミスが続発する中、角間選手が9周目で1分4秒867を叩き出してトップに躍り出ると、ZAPSPEEDの村田将輝選手が12周目で1分4秒925と僅差に迫る。そして、新進気鋭の豊島選手は1分5秒144をマークし、上位の2選手にプレッシャーを与えた。しかし村田選手がペナルティにより4番手スタートに変更され、グリッド2列目に後退。繰り越しで2番手は豊島選手、3番手は内藤大輝選手となった。
そして迎えた決勝は、1周目から大荒れの様相を呈した。雨脚が一向に弱まらない中、全車一気にバトルを展開すると、第1ヘアピンで1台がコントロールを失ってスピン。続く第2ヘアピンで3台が絡む大アクシデントが勃発した。当然のごとくイエローからレッドにフラッグが変わり、救急車やトラックが出動する事態にギャラリーは騒然。残念ながら4台はリタイアとなり、セーフティーカーでのリスタートとなった。
仕切り直しの一戦では、中断前のスタートで豊島選手に出鼻を挫かれた角間選手が、危なげなくポールポジションを獲得。次点は豊島選手、そして村田選手が抜群の蹴り出しでオーバーテイクに成功し、3位に浮上する。そして中澤選手、黒川史哉選手のZAP勢が付かず離れずの攻防を見せ、先頭5台が集団となってレースを牽引していった。
次第に小雨となり、路面が乾いていく中、本戦も主役は角間選手。集中力を切らさず、良好なペースを維持して、後続を突き放して独走状態に。注目の2位争いは豊島選手と村田選手が両車一歩もポジションを譲らず、接触スレスレの激しいデッドヒートを繰り広げた。
結果、角間選手は一度も先頭を明け渡すことなくトップチェッカーを受け、ベストラップタイムも記録し、ポールtoウィンの圧勝。ルーキーイヤーながら2連勝を遂げた。アグレッシブなレース展開で健闘した豊島選手が初参戦で準優勝。そして最終ラップで決死のラストスパートをかけた村田選手は、フィニッシュ直前で縁石に乗り上げる痛恨のミスで3位に終わった。
マスターズクラスでは参戦11年目のベテラン・秋山健也選手が貫禄の走りで9台中7位の成績で今季のフィニッシュを飾った。「来季は新マシンで参戦予定です。更に上位進出を狙いたいです」と意気込みを語った。
Winners Interview

優勝
角間光起選手
一回目のスタートは抜かれてしまったのですが、2回目のセーフティーカースタートの時は上手くいって良かったです。中断に助けられた感じですね。レース中はどんどん路面が乾いてきたので、どれだけ攻め込めるかを常に色々試していました。なんとか上手くレース運びができて良かったです。激動の一年でした。自分自身、色々と緊張していた部分もあり、優勝できるようなドライバーになれるとは思っていなかったのですが、なんとかデビューイヤーの集大成を良い形で終えられて良かったです。
2位
豊島里空斗選手
最初のスタートで1位に立って、そこから逃げようと思ったら、赤旗になって仕切り直しになってしまったのが残念。(角間選手の)後ろにつけて若干離れてしまったのですが、前半は全然良かったけれども、段々と路面が乾いてくるとともに、後ろがグリップしすぎてペースが落ちてしまったのが敗因。デビューレースのスーパーFJもてぎ・菅生シリーズで2連勝を飾って、そこから結果が下がってきていたので、今回で自信を取り戻せました。更に練習して今度は1位を獲りたいです。