Race Report
Super FJ Rd.5
2022 JAF筑波/富士スーパーFJ選手権シリーズ第5戦
ここまで筑波サーキットに絞って今年度のSUPER-FJシリーズに参戦している小村明生選手!出れば必ずポールtoウィンを勝ちとっている彼を止められるのは誰なのか???
約2ヶ月のインターバルを経て開催されたSUPER FJ筑波シリーズ第5戦。今回も名門VICIC主催の下、ロードスターパーティレースやマツダ車限定の耐久レース・マツ耐とともに開催された。全6戦中、ここまで3戦をポールtoウィンで圧勝しているのはファーストガレージの小村明生選手。この小村選手を武者利仁選手や中澤凌選手、小田部憲幸選手らZAP勢が追いかけている。一方、この2ヶ月のインターバルの間に他サーキットでもSUPER FJ選手権は開催され、前戦の富士スピードウェイでは武者選手が初優勝。また、もてぎ・菅生シリーズも開催され、中澤凌選手がモビリティリゾートもてぎで開催された第5戦を制している。直近レースでしっかりと勝利をつかみ取るイメージを確立してきたふたりが、いかに小村選手を攻略するかがこのレースの見どころとなった。
例年にない連日連夜の酷暑が続く日本列島。ここ筑波サーキットでもそれは例外ではない。この日も朝の公式予選から路面温度はグングンと上昇していく。路面状況は40℃を優に超え、いままでのセッティングデータが全く当てにならない。そんな中、ポールポジション筆頭株の小村選手にトラブルが発生する。車載カメラに関して注意を受けたことに端を発して、乗り込みが遅れてしまう。しかも、マシンのアクセルペダルのワイヤーが外れてしまっていた。チームの迅速な対応でトラブルシューティングを行い、原因を発見!すぐさまマシンを修正して小村選手をコースへ送り出す。しかし、トップで入るはずだった小村選手の前には数台のマシンがすでにコースイン。しかも、アウトラップに派手なスピンをストレート上で冒してしまう。こんな状態でもまずトップタイムをマークしたのは小村選手だった。路面温度が上がり切らない序盤でしっかりと予選トップタイムをマークし、多くの選手が19周以上走ったのに対し、小村選手は17周で予選を切り上げる。一方タイムメイクに苦しんだのはもてぎから凱旋レースとなった中澤選手。「完全にセットアップを間違えてしまいまいました…」という言葉の通り予選も後半になろうかという13周目になんとか3番手タイムマークする。また、ポール獲得を期待された武者選手もタイヤウォームに手間取ってしまい、アタックするときには路面温度が高くなってしまっていた。この結果、小村選手が筑波サーキットで4戦連続ポールポジションを獲得した。
そして午後に開催された第5戦決勝。さらに路面温度は上がり60℃を超える状況。タイヤマネージメントが絶対的に重要になるが、ひと足先に予選を切り上げた小村選手のタイヤがマイレージ的には圧倒的に有利だ。全車スターティンググリッドに整列すると、まず良い蹴り出しを見せたのは2番手の武者選手。アウトから小村選手に並びかけると1コーナーで大外刈りをしかける。しかし、冷静さを失わなかった小村選手はインをがっちりキープしてS字までに逆転。半車身前に出ると第1ヘアピンまでにしっかりとトップをキープする。ここから徐々に小村選手が2番手武者選手に差を広げ始めるが、武者選手もグッとこらえて1秒以内でなんとかくらいつく展開。逆にこれに乗じたようにアタックをしかけてきたのは3番手の中澤選手。予選で失敗してしまったセットアップを修正。決勝では持ち前のスピードを取り戻し2番手武者選手に襲い掛かる。しかし、ここもオーバーテイクにつながる差はなく膠着状態に…。すると13周目に5位争いを演じていた選手が接触。ストレート上でスピンを喫しクラッシュパッドに激突してしまう。これによりSC導入。このままSC先導のままチェッカーかと思われたがファイナルラップでSCが呼び戻されレースが再開する。リスタートでも小村選手は落ち着いた走りで武者選手を抑えきり今季4勝目を獲得した。
Winners Interview

優勝
小村明生選手
ここまで多くの人に支えられてまた優勝できました。HCギャラリーシミュレーションさんでアルバイトで参戦資金を貯めながらシム練習をさせてもらった成果も出たと思っています。富士スピードウェイの大会にも参戦できることが決まったので、このままシリーズチャンピオンを獲って次のステップに進みたいと思います
2位
武者利仁選手
とても悔しいです。ただ、以前と比べて自分に何が足りないのかもしっかり分かったレースでした。以前は小村選手との間に大きな差を感じていましたが、このレースで背中をしっかり見ることができたので、タイヤマネージメントからもう1度見直して次に備えたいと思います